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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

梅雨空の北岳で見つけたもの

2019年07月18日
南アルプス

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

7月上旬に北岳に行ってきました。

6月下旬に開山した北岳ですが、1日中カラッと晴れている日は少なく、この日も小雨が降るなどでかなりじめっとしていました。通常は広河原から北岳の山頂を望むことができますが、今日は中腹から真っ白でした。その反面、天の恵みを受けて植物が咲き始めています。今回は見つけた植物をいくつか紹介したいと思います。

  

左はカラマツソウです。葉がカラマツの葉のような形をしていて、白い部分が雄しべの一部分になっています。1本1本が細かく、放射状になっているのが特徴的です。空がどんより曇っていても際立つ白さなのですぐに見るけることができると思います。右はクリンソウです。すっと伸びた茎の先に紅紫色の花を付け、日が当たる水辺に咲いていることが多いです。

ここでちょっと変わった形をしたお花を。白根御池小屋と大樺沢の分岐を進んだ場所に咲いていました。

なんの花かお分かりでしょうか。オドリコソウです。花の形が傘をかぶって可燐に踊る女の子のように見えることが由来だそうです。アップで見ると細かく毛が生えているのが分かりますね。登るたび、探していましたが毎回見つけられず...。アクティブ・レンジャー3年目でやっと見つけることができました!

今年は気温が低いため、昨年よりも咲いている期間が長いように感じます。これからの時期はたくさんの種類の花が咲き始めます。北岳に登らずとも、広河原や北沢峠でも高山植物を楽しむことができますよ♪

気温は低いものの、雪解けが少しずつ進んでいます。ですが、依然大樺沢の左俣ルートには雪が付いています。下りでは軽アイゼンが必須、登りでもあったほうが歩きやすいです。雨で石や木の根っこが滑りやすくなっています。下山時は特にお気を付けください。

綺麗な景色を楽しみに登られているが多いと思います。雨降りの中でも疲れを吹き飛ばしてくれるくらい綺麗な高山植物や晴れ間を楽しんでいただいて、「南アルプス良かったよ!」と多くの方に思っていただけると嬉しいです。みなさんに素敵な思い出が残りますように♪