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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

2019 南アルプス開山祭が行われました

2019年07月02日
南アルプス

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

6月22日(土)に山梨県南アルプス市にある広河原インフォメーションセンターにて「2019 南アルプス開山祭」が行われました。この日はどんよりとした天気で広河原から北岳の全貌を望むことはできませんでしたが、関係者以外にも北岳から下山された方、これから登られる方などで大変賑わいました!

△石碑と蔓払いと北岳(6/17撮影)

石碑に刻まれているのは南アルプス林道開通に努力した天野久元知事、旧芦安村長名取運一、外国人として初めて北岳に登頂したイギリス人宣教師のウォルター・ウェストンです。

開山祭では地元芦安中学校生徒による「北岳の歌」、「雪山賛歌」の合唱や、夜叉神太鼓の力強い演奏が披露されました。

「北岳の歌」は終戦後の昭和21年に明峰山岳会の金山敏雄氏が一人旅の山小屋の中で新雪の北岳バットレスに挑む仲間を思いながら作詞し、下山後、1週間で作曲されたと言われています。歌詞は、第1章 夜叉神峠からの北岳、第2章 早川渓谷と夏のバットレス、第3章 冬季バットレス登頂の感激で構成されています。現在は金山氏の母校である専修大学の山岳部歌になっており、今でも歌われ続けているそうです。

最後に「蔓払い(つるはらい)」の儀式が行われました。



「蔓払い」は、かつて未開だった登山道の蔓を払いながら切り拓くこと、切った蔓の飛び跳ねる動きにより悪霊への威嚇、排除、山の清めを意味し、明治時代の「山の案内人」をイメージした格好で登場する案内人が蔓の門を斧で切ります。切り開かれた蔓を従者が整え、道ができます。参加者はこの1年の安全登山を祈りながらこの道を抜け、「開山式」が終了しました。

マイカー規制が始まってから1週間が過ぎました。すでに多くの方が広河原や北沢峠に入られていることでしょう。みなさんにとって事故や怪我もなく、安全で素敵な思い出が残るシーズンになりますように♪