関東地域のアイコン

関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

冬の空気漂う薬師岳、観音岳へ

2020年11月13日
南アルプス

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

10月下旬に鳳凰三山の薬師岳、観音岳の巡視に行ってきました。

鳳凰三山は薬師岳(2,780m)、観音岳(2,841m)、地蔵ヶ岳(2,764m)の三山から成る山で、花期シーズンにはさまざまな種類の高山植物を見ることができます。また、子授けのために登拝した夫婦が、奉られている地蔵1体持ち帰り、子宝を授かれば2体にしてお礼の登拝をする「子授け地蔵」など、古くから信仰として多くの人に親しまれています。

鳳凰三山の稜線からは白峰三山はもちろん、富士山や八ヶ岳を一望することができます。白峰三山は前日に降雪があり、白さが増していました。

△薬師岳からの白峰三山

△観音岳からの薬師岳と富士山

富士山は逆光で雪の状態が分かりにくいですが、これからもっと寒くなるのでもっと白くなることでしょう。標高が高い山々では冬らしさを感じられますが、標高1,500mから1,700mあたりでは絶賛紅葉中でした。

色づく紅葉もきれいですが、斜面を見ると、標高によって樹木の種類に違いがあることに気づきます。南アルプスは気候や地質の影響で森林限界が高く、高所まで森林に覆われています。山の景色を楽しむことはもちろん、林相の変化を観察するのも面白いですね。

◆ 鳳凰三山の登山を計画されている方へ

10月半ば、標高が高い山々では降雪がありました。鳳凰三山の稜線日陰部には巡視時(1029日)、若干雪が残り、凍っている状態でした。軽アイゼンを使用するほどではなかったですが、今後の降雪や気温によっては必須になります。足回りの装備をお持ちになって入山するようにしてください。11月に入り、鳳凰三山にある山小屋の営業は終了しましたので、ご注意ください。