アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
塩見岳、標高改定!
2020年06月10日みなさん、こんにちは。
南アルプス自然保護官事務所の本堂です。
今年1月、国土地理院が塩見岳の標高を改めました。塩見岳は長野県と静岡県にまたがっていて、南アルプスの北部と南部の真ん中に位置する山です。
塩見岳は西峰と東峰に分かれている¨双耳峰¨です。西峰の標高は3,047メートル、東峰は3,052メートル。東峰のほうが高いですが、三角点があるのは少し低い西峰。そのため、国土地理院はこれまでは西峰の3,047メートルを塩見岳の標高としていましたが、最近の調査資料を基に確認したところ、今年1月に東峰の標高3,052メートルに改められたとのことです!
参考:https://www.gsi.go.jp/kihonjohochousa/kihonjohochousa41189.html
この写真は西峰より東峰を撮影したものです。東峰のほうが高いということは多くの登山者に認識されているため、大体の方は東峰で記念写真を撮られます。ご覧の通り、多くの登山者で賑わっています。
ここで3,052メートルの東峰から見られる景色を紹介します!なんといっても南アルプスの北部と南部の真ん中に位置する塩見岳。天気がいい日には南アルプスオールスターの大展望が広がります!
写っているのは北部方面です。仙丈ヶ岳や間ノ岳、農鳥岳、奥には小さく甲斐駒ヶ岳も見えます。目の前に見える稜線は北岳や仙丈ヶ岳へ向かう「仙塩尾根」です。「仙塩尾根」は仙丈ヶ岳と塩見岳を結ぶ稜線で、それぞれ頭1文字をとっています。登山者が少ないルートで、南アルプスの山深さを感じられる稜線です。
こちらは南部方面です。目の前に見える大きな山は悪沢岳(東岳)、中岳、前岳の三山から成る荒川岳です。後ろに見える山は聖岳、兎岳です。この写真を見ているだけで次はどの山に行こうかな?とワクワクしちゃいます。
目の前には・・・
富士山も見えちゃいます!!!南アルプスの山々と富士山が一望できるのはなんとも贅沢です。昨年、塩見岳に登ったときは写真のように天気が良く、下山するのがもったいないくらいでした。
塩見岳は南アルプス(中央構造線エリア)ジオパークにも含まれており、展望だけでなく地質の観点からも楽しめます。山頂や天狗岩付近では赤石山脈の由来にもなっている赤色チャートや緑色岩を見ることができます。
南アルプス(中央構造線エリア)ジオパーク
→ https://minamialps-geopark.jp/
日本ジオパークネットワーク
→ https://geopark.jp/geopark/m_alps/
南アルプスの成り立ちや日本各地のジオについて知ることができます。あまり興味がない方でも見てみると新しい発見があったりと、おもしろいと思います♪
◇ ◇ ◇ 塩見岳および周辺の山へ登山計画されている方へ ◇ ◇ ◇
今年度はコロナウイルスの影響により、伊那市、大鹿村、静岡県は登山の自粛を求めています。各登山道、山小屋、および伊那バスによる鳥倉線(松川インターから鳥倉登山口)は休業・運休となっていますので、入山の計画をされている方は、ご注意ください。