アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
バードウォッチングを楽しもう!
2020年01月21日みなさん、こんにちは。
南アルプス自然保護官事務所の本堂です。
登山道を歩いていて動物の鳴き声が響き渡ることってありますよね。夏季は展葉しているのでどこにいるのか分からないことが多いですが、冬は多くの木々が落葉し、森の中の見通しが良くなり、動物を見つけるチャンスの時期になります!!鳥類は季節に応じて行動の習性が異なります。次のように分けられています。
●留鳥
1年中国内に生息する鳥。例えば、ヤマドリ、カルガモ、スズメなどです。留鳥の中でも国内で季節移動する鳥を「漂鳥」と分けることもあります。
●渡り鳥
渡り鳥の中にも大きく3つに分けられています。
冬鳥:冬季に国内に渡来する種。例えば、ミヤマガラス、カシラダカ、ツグミなど。
夏鳥:夏季に国内に渡来する種。例えば、ササゴイ、ヒクイナなど。
旅鳥:春季および秋季に国内を通過する種。シギ類やチドリ類に多く見られます。
(北海道および沖縄地方では違う場合もあります)
【カシラダカ】
緊張すると頭が三角に高くなることからこの名前がつきました。普段はユーラシア大陸北部の森林帯に生息しており、冬になると日本にやってきます。中部で越冬し、東北や北海道の地域ではユーラシア大陸へ戻るときに見ることができるようです。一見、スズメのようにも見えますが、スズメに比べて頬部分が白くなく、顔立ちがしっかりしていますね。個人的にイケメンな鳥だと思っています。
【エナガ】
尾が長いことからエナガという名前です。見たまんまですね。エナガはコケを集めて木の枝に球形の巣を作ります。目のラインが黒く、頭は頭頂部分だけきれいに剃った武士のように見えるのが特徴で、北海道~九州の平地、低山の林に生息しています。この1羽の周りに複数羽いて、日が当たる枝に止まって、みんなで日向ぼっこしているようでした。
【マヒワ】
オスは頭が黒色で顔から腹にかけて黄色メスは緑灰色、オスは、メスは白っぽい色をしています。普段は本州中部以北に生息しています。この周辺へは冬鳥として渡来し、カバノキなどの種子を食べています。野生の鳥でこのような色をした鳥をみたことがなかったので、初めてマヒワを見たときは衝撃を受けました。
【シジュウカラ・ヤマガラ】
白黒の鳥がシジュウカラ(左)。喉・頭の周囲は黒く、白い頬をしています。胸から腹にかけて通る黒く、太い、¨黒いネクタイ¨が特徴的です。冬場は天敵から身を守るために他の「カラ類」と集団行動することが多いです。屋久島以北の山地の針葉樹林に生息し、留鳥および漂鳥です。
白黒にオレンジ色が混ざっている鳥がヤマガラ(右)。堅い木の実を両足で挟み、くちばしで割って食べるという器用な技を身に付けています。日本では小笠原諸島を除き、ほぼ全域で生息しています。
この2羽は水場にいるところを見つけました。ただ、シジュウカラよりもヤマガラのほうが権力が強い(?)らしく、ヤマガラが独り占め。シジュウカラは控えめに堪能していました。
水浴びをしているとき、木を叩いてえさを探しているとき。鳥たちのいろんな生活を覗くことができます。また、時間や標高によって見ることができる種類が異なるので、どの種類がお出迎えしてくれるかは行ってみてのお楽しみです。バードウォッチングは山に登らずとも、林道や里山でもできるので、暖かい格好をして楽しんでみてください♪