関東地域のアイコン

関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

「天城山自然観察会」~天城の秘境 皮子平をめぐるコース~ 開催

2024年09月25日
下田 山田優子
みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。
沼津もやっと日中少し涼しく感じられるようになり、伊豆山稜線歩道など稜線歩きが気持ちいい季節になってきました。体を動かしやすい季節です。いつもの帰り道など少し遠回りするのもいいかもしれませんね。
 
今回の日記では「山の日」を記念し、山により親しんでいただく機会として、9月7日(土)に開催した「天城山自然観察会」~天城の秘境 皮子平(かわごだいら)をめぐるコース~をご紹介したいと思います。

今回のコース

天城の秘境と呼ばれている皮子平を目指します。まず上井屋歩道入口を入山し、人工林と自然林の境を見ながら、西皮子平の火口を観察します。その後、東皮子平で火口跡や溶岩流の上を覆う原生的な森に包まれながら、ゴールの戸塚歩道入口まで歩くコースです。距離は4㎞程ですが、入口までのアクセスが難しく特別なコースになっています。
ガイドをしてくださったのは天城自然ガイドクラブの皆さまです。

受付&準備体操

登山道の入口で富士箱根伊豆国立公園の公園計画図を見ながら、服部レンジャー(国立公園管理官)より国立公園の説明を聞きました。今回のコースはスタート地点が国立公園の外にあり、核心部が国立公園内となっています。皆さん熱心に説明を聞いてくださいました。その後、安全に戻ってこられるように準備体操を行い、グループごとに分かれガイドさんからの説明を受け出発です。
代替えテキスト
  
代替えテキスト
  

自然観察

スタートしてしばらくは登りになっていて、ガイドさんが参加者の皆さんのペースを見ながらゆっくり歩き進めます。途中、ガイドさんからシダやカエデの特徴の説明を受けると皆さん葉や茎を触って確認したり、メモや写真を撮りながら熱心に観察していました。
代替えテキスト
 
代替えテキスト
 

西皮子平

西皮子平では、赤色立体図を見せてもらいながら約3,200年前に起きた噴火の話や、20年程前は火口一面にオギが群生し、その周りにはマメザクラが咲いていた美しい写真を見せてもらいました。現在は、鹿の食害を防ぐため防護柵が設置してあり、柵の中には様々な植物が生い茂っていますが、見せていただいた写真のような風景ではありません。管理せず自然の状態でマメザクラとオギの森だったのはなぜなのかとても興味深かったです。
代替えテキスト
 
代替えテキスト
 

東皮子平

東皮子平はまさに今回の観察会のコース名になっている「天城の秘境」という言葉がピッタリな場所で、苔と樹木に覆われた溶岩の森は、本当に美しく木々から差し込む光と一面の緑の世界が目の前に広がった瞬間、歓声を上げられた参加者の方が見られました。この場所には、昔たくさんのオシダが茂りジャングルのようで、今とは全く違う風景だったと写真を見せてもらい解説を聞きました。失ったものはありますが、今も変わらず美しいと感じるものがありました。
代替えテキスト
 
代替えテキスト
 
代替えテキスト
 
代替えテキスト
 

レクリエーション

昼食場所に到着し、班ごとのレクリエーションが行われました。昼食場所にあった大きな石を「持ち上げられるかな?」とガイドさんに聞かれ、チャレンジした参加者の皆さん、「あれ?」と大きな石を持ち上げ笑顔で記念撮影していました。なぜ持ち上げられたか分かりますか?観察会の場所が火口跡だという事を考えると分かるのではないでしょうか?
そして、昼食後ガイドさんがトートバックの上にたくさんの落葉を並べていきます。並べた落葉は全て歩いてきた場所にあったカエデの葉だそうです。たくさんの種類があり図鑑を見ながら説明を受けました。私が連想するカエデは手のひらの様に葉に大きく切れ目が入っている葉や、カナダの国旗に描かれている様な葉でしたが、左下のチドリの葉は、一般的なカエデのイメージとは違い皆さん図鑑を見ながらメモを取ったり、葉を触って観察していました。
代替えテキスト
 
代替えテキスト
 
この後も、スギの精英樹の説明を聞き、黒曜石の成分やでき方について学びゴール地点まで盛りだくさんの内容でした。
天気に恵まれ、参加者全員ケガもなく楽しく自然にふれあうことが出来ました。参加者の皆さんが山に親しみ自然の恩恵を感じる1日になっていたら嬉しいです。バス会社の皆さま、ガイドクラブの皆さま、参加者の皆さまのおかげですばらしい観察会になりました。ありがとうございました。