アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
伊豆半島で出会える夏の昆虫たち -カミキリムシ科編-
2021年08月06日みなさん、こんにちは。仰向けに転がった蝉が突如として動き出すとびっくりする齋田です。
巷ではこの現象を「セミファイナル」と呼ぶそうですね。半ば/蝉「semi」と最後「final」を掛けた言葉遊びでしょうか。
さて、伊豆半島の夏も後半戦に差し掛かり、国立公園内では多くの動植物が観察できる季節となりました。
自然観察にはもってこいの季節ではありますが、コロナ禍が続くなか、外出を自粛している方も多いのではないでしょうか?
今回の日記では、みなさんに伊豆半島の夏を感じて頂ければと、巡視(国立公園を構成する施設の点検や利用状況の把握等を行う業務)の際に見かけた昆虫たちをご紹介します。
まずはこちら、バームクーヘンでおなじみの恵比須島にて出会った「ホシベニカミキリ」です。
【ホシベニカミキリ】
関東以西の温暖な地域で見られる南方系のカミキリムシ。どことなく南国チックな風貌をしていますね。
富士箱根伊豆国立公園では、海岸線付近の極相林やその周辺にて観察することができます。
真っ赤なボディにアシンメトリーの黒斑を持つオシャレさんですが、防潮林として植えられたタブノキを食べてしまうやっかいものとしても知られています。
続いて、河津七滝を通る踊子歩道にて出会った「シロスジカミキリ」です。
【シロスジカミキリ】
山間部で見られる大型のカミキリムシ。人差し指と比較すると大きさがイメージできるかと思います。
その圧倒的な体サイズからなる迫力もさることながら、筆で描いたような白い模様に目が引かれますね。
富士箱根伊豆国立公園では、クリやコナラの二次林を中心に多くのエリアで観察することができます。
「カブトムシを探しに行ったらでっかいカミキリムシを見かけた」という場合は本種であることが多いです。
今回の日記では、夏の季節に富士箱根伊豆国立公園にて観察できるカミキリムシ科の昆虫のうち、代表的な2種について紹介しました。
伊豆半島の豊かな自然の中では、このほかにもさまざまな生き物たちと出会うことができます。
「夏の生き物といえば昆虫でしょ!」という声が聞こえた気がするので、しばらくは伊豆半島で出会った昆虫たちにスポットを当てた内容をお届けします。
不要不急の外出自粛が呼びかけられているなか、みなさんにはこの日記を通じて少しでも富士箱根伊豆国立公園の夏を感じて頂ければうれしく思います。
※外出の際には、咳エチケットの徹底やソーシャルディスタンスの確保等の基本的な感染症対策に努めましょう。また、各自治体のガイドライン等によく目を通し、責任ある行動を心掛けましょう。