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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

城ヶ崎海岸の松林景観を守る活動

2014年01月22日
沼津
今年も伊豆半島東海岸にある城ヶ崎海岸(国立公園第1種特別地域)で、松林の景観を守るため活動が行われました。
城ヶ崎海岸は、近くにそびえる大室山が噴火した際に流れ出た溶岩と波の浸食作用によりできた海岸で、絶壁が入り組んだ海岸線は見所の1つです。
そんな海岸線には松の木がたくさんありますが、それがさらに景観を際立たせています。

そんな素晴らしい景観を守っていくため、地元の方が毎年冬の時期に松の木に「樹幹注入」を行っています。
目的は、マツノマダラカミキリが運ぶマツノザイセンチュウが松に感染して枯れるのを防ぐことです。
この作業は「寒い冬のできるだけ晴れた気温の上がらない風のない日」が最適とのことです。
今年はそんな最適な日に近い状態で作業をすることができました。

松の木に注入する薬剤は、陽射しが当たって松の葉が開く時によく吸い上げられるため、太陽が上がる前から作業が始まります。

<作業手順>※簡単な紹介です。

①薬剤注入のための穴をあけます。(穴の場所がとても大切なので樹木医さんが指定します)
②ボトルを設置して薬剤を入れ、松の木に吸い込んでもらいます。
③薬剤の吸い込み具合を確認します。
④薬剤を吸い込んだらボトルを外して殺菌剤を塗布し、最後に専用粘土で穴を塞ぎます。
 (赤丸は穴を塞いだ状態です)

1年に1度の作業ですが10年以上続いていることもあり、みなさんすっかり手慣れた様子で、あっという間に作業が進められました。
作業場所は遊歩道の近くでも行われるため、観光客から「何をしているのですか?」と質問を受けることもありますが、このように守られている場所であることを知っていただけるのは、とても良いことだと思います。

松の木を守るため、地元の素晴らしい景観を維持していくため、観光を楽しみにやってくる方達のためなど様々な目的で、この活動は今後も続けられていきます。
城ヶ崎海岸を訪れた際には、そんなことも思い出しつつ楽しんでいただければと思います。