アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
噴火で出来た『小室山』の絶景
2020年02月27日みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。
暖かい冬で過ごしやすいですね。家の庭先で春の花が次々と咲き始め、庭が明るくなりうれしい反面、日本ならではの四季の変化が崩れているようで複雑な気持ちになる今日この頃です。既に花粉もかなり飛散しているようなので、今年は長期間苦しみそうな予感です。
今日は先日巡視に行った『小室山』を紹介したいと思います。
小室山は静岡県伊東市にある、およそ1万5000年前の噴火によって作られた伊豆東部火山群に属する標高321mの火山です。お椀をひっくり返したような円すい状の形をしていて、スコリアと呼ばれる穴のあいたごつごつした軽石がつもって出来たスコリア丘です。標高の低い山なのに絶景なんて?と思われる方がいるかもしれませんが、侮るなかれ、中腹から山頂にかけてすばらしい景色が広がっています。山頂は"富士山がある風景100選"に選定された場所の一つです。
【 梅と小室山 】
小室山の山頂に行くには、リフトを使用するか、歩いて登るか選べます。リフトは一人乗り用ですが、小型犬(10㎏未満)は一緒に乗車することが出来ます。
歩いて登る場合は、歩道の途中に恐竜の遊具がある恐竜広場と、言葉通り展望がすばらしい展望広場を通りながら山頂まで30分程度で登ることが出来ます。展望広場はとても広く遊具のほかにも休憩スペースやベンチなどもありますので、お弁当を持参して訪れるのもおすすめです。巡視の際は見ごろを終えた早咲きの桜の花びらが風に舞っていました。この桜は1月の下旬頃咲き始めるので、新年早々、広場でお花見も楽しめそうです。
展望広場の眼下には相模灘が広がり、正面には伊豆大島、南西には三宅島をはじめとした伊豆七島を望むことが出来ます。真っ青な海に浮かぶ伊豆の島々を前に、つい時間を忘れてカメラのシャッターを切ってしまいました。
【 展望広場から見える伊豆大島 】
山頂には眺望デッキがあり、デッキの先端まで行くと目の前には見渡す限り海が広がっています。北に富士山や伊東の街を望め、少し東に目を向けると房総半島まで見渡すことが出来ます。写真では雲がかかっていて分かりにくいですが、肉眼では丹沢山地や箱根山を確認出来ました。また、南には小室山と同じスコリア丘の大室山や、天城山(万二郎岳)を眺められ360度自然の大パノラマに囲まれています。また、火山の歴史を知る、火山灰の地層のはぎ取り標本がリフト乗り場横に展示してあり、伊豆東部火山群4万年間の歴史に触れることが出来ます。
【 眺望デッキから見える相模灘 】
【 山頂から見える北東方面の眺望 】
麓のつばき園では、現在見ごろを迎えている1000種類ほどのつばきを楽しむことが出来ます。4月の下旬には、つつじ園で10万本のつつじが咲きほこり一面を真っ赤に彩ります。春の小室山には感動がいっぱいです。
▼伊東市観光情報