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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

『天城山』の遅い春

2021年05月10日
沼津 山田優子

みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。

GWが終わってしまいましたね。私は先日日記で検討していた自転車を購入し、GWは自転車で川沿いを走り海まで行ってきました。いつもは車で通り過ぎてしまう場所に新たな発見があったり、ステキなお店があったり、海を眺めながら本を読んだり。今までのGWにはないのんびりした時間を過ごしました。

さて、今回の日記では4月末の巡視で、天城山の遅い春の光景に感動したので紹介したいと思います。

アクティブ・レンジャーが管内の巡視に行く際は、何らかの目的を持って現地に向かいます。事務所によって目的はさまざまですが、主に登山道の安全確認や標識・看板の確認、倒木の処理や道迷い発生場所の確認、申請のあった工作物の確認など、多岐にわたります。以前紅葉の時期に何度も天城山の八丁池付近で確認する事があり、絶好のタイミングで八丁池の紅葉を日記で紹介しよう!と意気込んでいましたが、行かなかった数日で紅葉した葉があっという間に散ってしまいました。今回はこの逆の事が起こりました!天城山を八丁池に向かって歩いていると、前方に一面の薄ピンクの花が見え、ハッとしました。

街中や標高の低い山ではかなり前に散ってしまったマメザクラが見頃を迎えていました。思いがけないプレゼントをもらったような気持ちになり、また山に魅了されてしまいました。すれ違った登山者の方も美しい光景にしばらくその場から動けず見とれていました。

登山道では鳥たちのさえずりが聞こえていました。音声を録音して聞いて欲しいほどで、気温の低い山にやっと訪れた春を喜んでいるようでした。

見晴台では八丁池と真っ白な富士山、南アルプスの山々が見えました。後1ヶ月もすれば深緑に囲まれた八丁池が見られそうです。


そして縦走路からは、ブナやヒメシャラの奥に富士山が見えます。落葉している期間限定の風景です。

ブナの枝には黄緑色の新芽がまばらについています。枝を緑色に染めるのももうすぐでしょう。(*富士山が見つけられなかった方はクリック拡大)

沖縄・奄美地方が梅雨入りして今年は梅雨入りが早そうです。梅雨の雨で山が潤い季節が夏へと進んでいきます。アセビが満開の天城山も、巡視の時まだ蕾だったアマギシャクナゲが開花し、八丁池ではモリアオガエルの産卵も始まります。森が賑やかになるのが今から楽しみです。