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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

城ヶ崎海岸の松林を保護する活動

2012年01月25日
沼津
城ヶ崎海岸は、富士箱根伊豆国立公園の第1種特別地域に指定されている場所です。
また、溶岩と海の浸食作用で形成された海岸線や松林が見事な景勝地で、多くの人が訪れる場所でもあります。


(門脇灯台下より)

この松林を、マツノザイセンチュウ病による松枯れから守るための作業『薬剤の樹幹注入』が、毎年冬に地元の方達によって行われています。
今年も、1月15日(日)に作業が行われたので、私も参加してきました。
本来の予定は1月14日でしたが、この日は早朝から雨が降り、作業を行っても松の木が薬剤をうまく吸い上げることができないため、翌日に延期となったのです。
※松の木が薬剤を吸い上げるには、松の木自体の蒸散が活発にならなければなりません。

樹幹注入作業は、次のような手順で行われます。
・樹木医の先生が指定した場所にドリルで穴を開ける。
・穴に水を入れ、薬剤注入用のボトルを差し込む。
・薬剤をボトルに流し込み、ガスで圧力をかけて注入を開始する。
・一定の時間を置いて薬剤の吸い込み具合を確認し、吸いの良くない場所から良い場所へ薬剤を移す。
・注入終了時間が来たら、すべての道具を松の木から外し、開けた穴を専用の塗布剤で埋める。


数人で分担して手際良く作業していきます。

(穴埋めをした注入部分)

早朝6:30に集合して始まった樹幹注入作業が終わったのは、およそ15:00でした。
地元の方達が行う樹幹注入作業は、今年で10回目となりましたが、今後も松林の保護や景観保全のために続けられる予定です。