アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
天城温泉郷『湯道』をめぐる
2020年10月28日みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。
今年も残すところあと2ヶ月です。時間の流れの早さに驚きます。秋は毎年言っているような気がしますが、、、食べ物がおいしい季節ですよね。ついつい食べ過ぎてしまいます。
全国の山々で初冠雪のニュースを耳にしました。伊豆半島の紅葉はこれからですが、富士山は雪化粧をして美しいです。沼津管内も少しずつ冬に向かっています。
ところで皆さんは『湯道(ゆみち)』という言葉を聞いたことがありますか?湯道とは静岡県伊豆市湯ヶ島にある小道で、かつて河原の共同湯に通うために使っていた小道を、里の人達が「湯道」と呼ぶようになり、名前をそのままに散策路として整備された道です。この場所は、幼い頃この地で暮らしていた作家 井上靖の「しろばんば」の舞台になった場所や、川端康成が「伊豆の踊子」を執筆した場所でもあります。
苔むした小道を歩いていると、井上靖をはじめとする文人墨客たちもこの場所を歩き、執筆の創作意欲を高めたり、心を休めていたのかな?と想像が膨らみます。そんな景色を眺めていると感慨深い気持ちになりました。
小道の脇には小川が流れ、笹舟を作って流して遊んだ子供の頃を思い出しました。この場所を歩くとなんだか懐かしい気持ちになります。
カサカサっと何か落ちてきたと思ったら、どんぐりです。足下には秋が落ちていました。
こちらは、猫越川(ねっこがわ)にかかる「女橋」と、本谷川にかかる「男橋」です。この場所はこの二つの川が合流し狩野川として流れ出す場所であり、男女が巡り会い新しい人生をスタートする「出会い橋」と呼ばれていて、二つの橋の出会う場所にはハートのモニュメントがあり写真スポットになっています。5月下旬から7月上旬頃には、たくさんのホタルが飛び交い幻想的で、四季を通して美しい場所です。
11月中旬頃には湯道沿いの木々の紅葉が始まり、出会い橋ではライトアップも行われる予定です。秋色に染まった美しい渓流にかかる橋で素敵な出会いがあるかもしれませんよ。
おまけ、湯道の小川に咲いていた「ホトトギス」です。10月ももうすぐ終わりですがキレイに咲いていました。
湯道の紅葉はこれから見頃を迎えます。文人ゆかりの宿や史跡、歌碑などを巡りながら風情のある小道で紅葉と歴史に触れ思いを馳せてみてはいかがでしょうか?
*湯道の中にある「わらべ橋」は老朽化により現在立入禁止になっていますのでご注意下さい。
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