関東地域のアイコン

関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

外来植物除去講習会に参加してきました!

2022年11月29日
沼津 刑部美鈴
こんにちは!富士山にも雪が積もり始め、冬の足音がきこえてくる季節になってきました。
 
今回は富士山の麓、水ヶ塚駐車場(静岡県裾野市)で行われた静岡県自然保護課主催の「外来植物除去講習会」に参加した時の様子をご紹介したいと思います。
富士山にも雪が被り、着実に冬に向かっています
外来種とは人の活動により、人為的に本来の分布域外から導入された生物種のことです。
外来種というと、海外から人の手により持ち込まれた物を想像しがちですが、日本国内の分布域を越えて国内の他地域に導入されたものも外来種といわれています。
 
どんなものが外来種なのかよくわからないという方もいらっしゃるかと思いますが、皆様がよく目にするタンポポ(セイヨウタンポポ)やシロツメクサなども外来種です。
外来種について詳しくはこちら

では、なぜ外来種を除去する必要があるのでしょうか?
 
外来種が増えると、
・本来の地域に生息している他の生物を排除してしまい、置き換わってしまう
・近縁の在来種と交雑して遺伝的撹乱が生じてしまう
・置き換わるだけではなく、それを利用する他の生物にも影響を及ぼす
・土壌の栄養循環などを変化させて生態系の基盤を変化させる
といった可能性がでてきます。そのため除去をする必要がでてくるのです。

今回の講習会では、富士山周辺の外来植物に注目して、種の特定方法や除去の方法を実践的に学びました。
富士山の周辺で見られる外来植物にはセイヨウタンポポやシロツメクサ、ハルジオン、エゾノギシギシなどの種類があり、今回はそれらを中心に除去作業を行いました。

 
除去作業に入る前に、専門家の方から外来種に関する説明がありました
実際に外来植物を見ながら、その特徴を説明しています
ハルザキヤマガラシ
下記の写真は除去作業のポイントを説明している様子です。
根から抜き取り、種子を落とさないようすぐに袋に入れることが大切だとのこと。
除去作業中
今回除去作業に使用した3種類の道具
こちらは実際の作業風景。
根が深く、また広い範囲に張っているものは全てを除去するのがなかなか難しいなと感じました。また外来種の周りにある、在来種を一緒に抜いてしまわないよう気を遣います。
除去作業中
こちらが今回の参加者で除去した外来植物。
計測の結果、11.75kgでした。
 
除去した後も根や地下茎、種子が残っているため翌年も生えてくるのだそう。
年に複数回の除去をするなど継続して除去する必要があるとのこと。
除去した外来植物
もともと人の手により持ち込まれた外来種ですが、在来種や生態系を守るためにも、こうして除去作業を行っていく必要があります。
また今後新たな外来植物が持ち込まれないよう、靴底についた土を落とすなどこまめな注意が必要です。富士山の登山口五合目には、外来植物を富士山に持ち込まないために、靴底についた土を落とす為のマットが設置されています。
富士宮口五合目 登山道入り口の外来種防除マット
皆様も外来種を富士山やその他の地域に持ち込まないために、外来種やその影響に関心を持ち、日々できることから行ってみてください。