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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

最上級の修験道 ~御中道①~

2013年11月13日
富士五湖
二十四節気の立冬も過ぎ、暦の上では冬になりましたね。
日に日に寒さが厳しくなってきている富士北麓でも、
河口湖で12日にはこの秋初めて最低気温が氷点下になりました。


11月6日に富士山五合目付近の御中道を巡視しました。
その様子を2回にわたってお伝えしたいと思います。


御中道とはかつては富士山中腹をぐるりと1周するルートで
富士講(富士山信仰)の信者達の中で富士山頂に3回以上の
登山経験のある人のみに許された最上級の修行の道でした。

現在では、富士山西斜面の大沢崩れと呼ばれる箇所が
大きく崩壊しているため、スバルライン五合目~大沢崩れ
区間のみが通行可能です。

富士山というと、砂や石ばかりというイメージの方も
多いかもしれませんが、標高2,300m付近にある御中道では
そんなイメージを覆す様々な自然があり変化が楽しい歩道です。
私も初めて歩いた時は、「ここが富士山の中腹か!」
と驚きました。


御中道の苔むした幻想的な景色

シラビソ、カラマツ、ダケカンバ、シャクナゲなど
の木々の中を歩いたと思うと、とつぜん視界が開け
山頂から麓までを見渡すことができます。




(左)青空と雲海、黄葉のコントラストが美しい
(右)意外に近くに見える山頂 (ともに2013年11月6日撮影)



また所々、過去の雪崩によってなぎ倒された木々を目にし、
自然の脅威を感じます。
今年の春は雪崩が特に多かったようです。


雪崩によってなぎ倒された木々


今回の巡視は途中の御庭から出発し大沢崩れまでを歩きました。
次回はその巡視の様子をお伝えします。


※御中道はまだ歩くことは可能ですが、標高は2300mです。
平地と比べ10℃以上の温度差がありいつ雪が降っても
おかしくありません。
防寒対策をしっかりして安全なハイキングを楽しんで下さいね。

<御中道情報(富士の国やまなし 観光ネット)>
http://www.yamanashi-kankou.jp/kankou/spot/p1_2100.html