アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
芦ノ湖水鳥調査(箱根地域)
2021年01月19日皆さん、こんにちは。
富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。
2021年が始まりました。仕事始めには、箱根周辺でフクロウに出会いました。
今年は福がありそうです。
観察されたフクロウ
そんな1月上旬、日本野鳥の会神奈川支部の芦ノ湖水鳥調査に同行してきました。
貸し切りボートに船頭さんを含めて4名での調査実施です(密は回避!)
この調査は、昭和45年から、50年以上継続されている「環境省全国ガンカモ一斉調査」の一環として、日本野鳥の会神奈川支部の皆さんが毎年1月に実施しています。
過去のAR日記での調査報告⇒アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]_芦ノ湖水鳥調査(箱根地域) (env.go.jp)
芦ノ湖での調査自体は約40年の蓄積データがありますが、残念なことに近年水鳥の数は減少しています。1980年代には1000羽を超えるマガモの群れが観察されたり、オシドリの繁殖も見られたことがある芦ノ湖ですが、今はこの時期200羽前後の水鳥しかカウントされません。再び水鳥の数が増えるために、何かできることはないか、考えてしまいます。
ガンカモ類の生息調査 | 生物多様性センター(環境省 自然環境局) (biodic.go.jp)
40羽ほどのマガモの群れ
水面を走るように飛び立つカンムリカイツブリ
今いる水鳥たちが、より愛おしく感じられます。今年もよく来てくれました!!
同じ日の午後、芦ノ湖から少し離れた「イタリ池」でも水鳥調査を実施しました。この調査は池を所有するゴルフ場「箱根カントリー倶楽部」様にご協力頂いています。
調査風景
※「イタリ池」は普段は会員以外入ることができない、ゴルフ場敷地内の池です。
過去のイタリ池観察会実施風景⇒アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]_冬鳥観察会inイタリ池(箱根地域) (env.go.jp)
現時点では、水鳥たちの生息数変移の要因は、はっきりと分かっていません。この調査を長く続けていくことで、後々わかってくることがたくさんあると考えており、調査の継続が重要です。毎年調査を実施されている日本野鳥の会神奈川支部の皆様、ありがとうございました。
今年の調査では、水鳥以外にもハヤブサに出会いました。
水鳥にアタックする姿が見られました。
水鳥は減少傾向にあるものの、箱根の野鳥は想像以上に豊富なようです。
箱根のある神奈川県には、現在新型コロナウイルス拡散防止の為に緊急事態宣言が発令されています。不要不急の外出を自粛して頂く時期ですが、幸い冬はバードウォッチングに最適な季節です。ご自宅の窓の外や近所の公園で、鳥たちを探してみてはいかがでしょうか。思いがけない出会いがあるかもしれません。再び安心して箱根を訪問できる日が来るまで、ご自宅にてAR日記で国立公園の一部風景をお楽しみください。本年も富士箱根伊豆国立公園をよろしくお願いします。
※現在箱根ビジターセンターは臨時休館中です。詳細についてはHPをご確認下さい。