アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
【報告】子どもパークレンジャー第2弾!「箱根ジオパーク2019 国立公園を守る子どもパークレンジャーになろう!」(箱根地域)
2019年09月06日こんにちは。富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。
今年は残暑が少なく、気温が20℃を下回る日もあります。涼しいを通り越して、肌寒いです・・・。
さて、★2019年08月01日 【報告】子どもパークレンジャー第1弾!「サマースクール」(箱根地域)でもご報告しました毎年当事務所では「子どもパークレンジャー」のイベントを無事、全3回を終えることが出来ました!
今回は第2弾「箱根ジオパーク2019 国立公園を守る子どもパークレンジャーになろう!」をご紹介します。
このイベントは環境省主催で「箱根ジオパーク」「国立公園」「箱根の自然」の3つのテーマで、それぞれの講師の方に箱根の自然や火山、国立公園について学び、体験する終日イベントです。
〈箱根火山と水槽実験(講師:箱根町企画課 箱根ジオパーク推進室 笠間 先生)〉
箱根火山の歴史や現在の火山活動の様子をご紹介していただき、野外で実際に火山が噴火するとどのような現象が起きるのか、水槽を使った疑似噴火実験をしていただきました。
【箱根火山の特長をご説明してくださる笠間先生】
【水槽実験の様子】
水槽に濃い食塩水と真水を交わらないように入れて、2層にすることで、水槽内に大気層(塩水:地上の空気、真水は大気圏などの高層域)を再現。
そこに食塩水より比重が軽い液体(チョーク1本分を溶いた液体:緑色)と比重の重い液体(チョーク3本分の液体:黄色)をチューブへ流し込むと、実際に火山が噴火したような現象が起きました。
緑色の液体は火山灰を表現しており、比重が軽いため真水(高層域)まで到達するのだそうです。
一方、黄色の液体は火砕流を表現しており、高温の溶岩片、火山灰、火山ガスなどが一体となるため、空気より重く、高速で地表を這うように降りてくるのだそうです。
雲仙普賢岳の噴火(1991年)では実際にこの現象が起き、1000℃以上にもなる火砕流が時速100kmで数十km先まで噴火口から下り、周囲の建物が倒壊し、森林地帯は火災が発生したそうです。
準備が大変でしたが、それ以上に分かりやすい実験に参加した子ども達もとても驚いたと共に噴火の違いとその恐ろしさを体験できる良い実験でした。
〈噴火実験と岩石観察(講師:NPO法人ホールアース研究所 津田氏)〉
【コーラで噴火実験(左)/岩石観察(右)】
毎度おなじみになってきましたね。コーラをマグマに見立て、振る(地震が起きる)とどんなふうに中身が噴出するのか実験し、噴火のメカニズムを学びます。どうしても良い写真を撮りたい自分は、この位置に立つことによって素敵な写真を撮影することが出来ましたが、その代償に身体中ベトベトです・・・笑。
岩石観察では、金太郎岩周辺を訪れ、火山岩の一種である安山岩に含まれる鉄分を紹介するため、磁石がくっつくか実験しました。
〈箱根の自然の紹介(講師:箱根地区パークボランティア(以下:PV))〉
【観察会の様子(左)/ソーセージみたいな種子が生るツチアケビの観察(右)】
今回は植物に詳しいPVに対応していただき、カルデラ地形と箱根特有の多湿による植生について、多雨地域の屋久島と似た植物が生息するなどをお話ししていただきました。
〈国立公園の紹介(講師:環境省富士箱根伊豆国立公園管理事務所 岩田 国立公園管理官)〉
当所の岩田 国立公園管理官より富士箱根伊豆国立公園の説明や箱根地域の特長、保全地域やその取り組みについてお話ししていただきました。
他にも火山灰の観察や、岩を割る際に穴を開けた「矢穴跡」の観察、流山の紹介、マグマケーキ作りなど内容が盛りだくさんで紹介しきれませんが、各方面で活躍される方々より貴重なお話や実験をしていただき、参加した子ども達にも良い刺激になったのではと思っております。
次回の日記では子どもパークレンジャー第3弾をお知らせします!
〈今回のイチオシ写真〉
【秋雲のぞむ鷹巣山】
明日開催予定の自然観察会「初秋の湯坂路と石仏石塔群を訪ねて」のコース下見会での風景。
当日も晴れますように。