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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

箱根の雪と仙石原湿原植生復元区の火入れ

2022年01月27日
富士箱根伊豆国立公園 山口光子

皆さん、こんにちは。

富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。

年末のクリスマス寒波では、箱根はかなり冷え込みました。そして、写真の様なものが観察されました。

【氷華】

氷華(こおりのはな、ひょうか)は、シソ科の植物で時折観察できる現象です。一見枯れた植物でも実は地中で根が生きており、枯れた茎の道管に水が吸い上げられ、その水分が凍ってこの氷華が現れます。最近はシモバシラという植物で氷華が観察できることが有名になりましたが、条件がそろえば箱根でもヤマハッカなどのシソ科植物で観察できることが分かりました。とにかく今年の箱根は寒いです。

2022年、新年早々には雪が積もりました。

【事務所の看板の積雪】

あっという間に溶けてしまいましたが、立ち往生など交通機関の麻痺が各所で発生しました。冬場の箱根は、実はタイヤチェーンや冬用タイヤの備えが必須です。都心から近くても油断はできませんのでご注意ください。

【箱根ビジターセンター駐車場】

そんな冬の最中、仙石原にある箱根湿生花園の火入れ作業が今年も実施されました。

【火入れ作業の様子】

箱根湿生花園に隣接する特別保護地区「仙石原湿原」の植物群落の復元を目指して、毎年この作業は行われています。火入れをして背丈の長い植物を除去すると、湿原性植物に日の光がよく当たり、成長を促せるという作業です。昨年、根元の氷が火入れ後にも溶けていなかったことから、(昨年のAR日記参照:http://kanto.env.go.jp/blog/2021/02/post-1006.html)地表近くの植物に影響が少ないことを実感していましたが、なんと今年は火入れ後の地面からネズミと思われるほ乳類が現れました。しばらくあたりを移動すると、また地面に戻っていきました。種類までは判別できず、写真に撮ることも出来ませんでしたが、ほ乳類も地中で炎をやり過ごせるのだと感じた出来事でした。

【ネズミが現れた、火入れ後の植生復元区】

今年もきれいに焼けました。これからの湿原性植物の成長が楽しみです。暖かい春に期待をして待ちましょう。