関東地域のアイコン

関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

八丈富士ハイキングコース 八丈島(伊豆諸島地域)

2019年09月27日
富士箱根伊豆国立公園

こんにちは。伊豆諸島管理官事務所の竹下です。

今回は、八丈島の八丈富士について紹介します。

底土港沖から眺めた八丈富士 八丈富士登山口

▲左:底土港沖から眺めた八丈富士 右:八丈富士登山口

八丈富士は八丈島の北側にそびえる山で、標高は854.3m、伊豆諸島の最高峰です。富士山と同じ成層火山で、円錐形の美しい形をしています。

八丈富士の山頂部分には直径約500mの火口があり、火口内は特別保護地区に指定されています。火口の内側には低木林が広がり、湿原や数個の池が点在する独特の景観の中に、浅間神社が建っています。火口の縁には、お鉢巡りの道が一周しており、360度の眺望の中、歩くことができます。

登山口には、八丈島中心部から車で約10分、徒歩約2時間40分でアクセスできます。登山口から山頂のお鉢までは1時間弱、ひたすら階段を登ります。

ハチジョウオトギリの黄色い花 動物進入防止柵

▲左:ハチジョウオトギリ 右:動物進入防止柵

道の脇にはハチジョウオトギリなど、初秋の花が咲いていました。

山頂に近くの道上には、動物進入防止柵が設置されていました。山頂部は貴重な植物の生育地であるため、ノヤギなど、食害の可能性のある動物の侵入を防止しているのです。通行した後は、必ず扉を閉めるようにします。

霧に覆われたお鉢巡りの道。道沿いにはハチジョウギボウシが一面に開花している。

▲お鉢巡りの道。左側が火口。

階段を上りきると、八丈富士の火口の縁、お鉢巡りの道の上へ出ます。

残念ながら、山頂部は霧に覆われ、360度の眺望は楽しめませんでしたが、道沿いや斜面ではハチジョウギボウシが一面に開花しており、綺麗でした。

・・・せっかくなので、晴れた時の景色も紹介します!

晴れた日のお鉢巡りの道からの眺望

▲晴れた時の景色

・・・とっても気持ちよさそうです。今度は晴れているときにリベンジしたいと思います。

火口の縁の一番高いところ(山頂)まで歩くと20分、お鉢を一周すると60分ほどかかるようです。当日は強風と濃霧のため、お鉢巡りは断念して、火口内の浅間神社へ向かいました。

浅間神社へ続く道。鬱蒼とした低木林に囲まれている。 道沿いには湿原や池が点在する
▲浅間神社へ続く道。道沿いには湿原や池が点在する。

火口の縁(お鉢巡りの道)から、草木に覆われた足場の悪い坂道を火口の中へ下っていきます。火口内にはヒメユズリハ、ヤマグルマなどの低木林が広がり、林床はシダやコケに覆われていました。鬱蒼としていて、別の世界へもぐり込んだようでした。

草木に埋もれるようにして建つ浅間神社の鳥居

▲浅間神社

10分ほど歩くと、草木に埋もれるようにして建つ浅間神社の鳥居が現れます。

八丈島では、昔、子どもが元服すると、神社に玉石をお供えする習わしがあったそうです。現在は、島の幼稚園生が運び上げてきたという沢山の玉石が供えられています。

八丈島に住む人たちにとって大切な場であることが感じられました。

ガクアジサイの両生花 コケに覆われた林床で活動するカタツムリ

▲左:ガクアジサイ。小さな両生花が沢山集まって咲いていた。右:カタツムリ。火口内は湿度が高く、快適そうに活動していた。

浅間神社に参拝した後は、道迷いに気をつけながら、元来た道を引き返します。神社から登山口まで、帰りは1時間弱で到着することができました。

海も山も楽しむことができる八丈島へ、皆さんもぜひ一度、訪れてみてください。

八丈島観光協会作成 八丈富士ハイキングマップ

▲八丈島観光協会 八丈富士山頂ハイキングmapより抜粋

※お鉢巡りの道は細く、左右が切り立っています。穴や亀裂、ゴツゴツした溶岩で足場の悪い箇所も複数あり、強風や濃霧の際は十分に気をつける必要があります。

【八丈島の観光情報】

八丈島観光協会 http://www.hachijo.gr.jp/

【伊豆諸島の台風被害について】

台風15号による被害は復旧しつつありますが、観光で伊豆諸島を訪問される予定の方は、念のため宿泊先や訪問予定の施設が復旧しているかどうかご確認ください。支援・被害・復旧などに関する情報は、各島の役場や観光協会のホームページで見ることができます。

大島町  https://town.oshima.tokyo.jp/

利島村  http://www.toshimamura.org/tourism

神津島村 https://vill.kouzushima.tokyo.jp/

新島村  https://www.niijima.com/

式根島観光協会 https://shikinejima.tokyo/