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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

最上級の修験道 ~御中道②~

2013年12月12日
富士五湖
前回のAR日記から1か月以上過ぎてしまいましたが、
御中道巡視の続きをお届けしたいと思います。

御中道の途中の御庭から大沢崩れまでは往復3~4時間の行程です。
前回ご案内したとおり自然が豊かな歩道で、高低差もほとんどありません。
ただし所々道が細かったり、足場の悪い場所もあるので注意が必要です。

かつては富士山中腹を1周していた御中道ですが、
現在は大沢崩れで行き止まりになっています。

大沢崩れは富士山頂直下から標高2,200m付近まで
最大幅500m、長さ1.2km深さ150mという
日本最大規模の侵食谷です。
今までに崩壊した土の量はなんと東京ドーム約60杯分!!!
現在も崩壊は進行中で年間10tトラック約3万台分もの
土砂が流出していると言われています。

実際に大沢崩れ展望地から見ていると、
時折音がして岩や土砂が崩れていきます。
危険ですので、くれぐれも先に進まないようにしてください。

ここから見上げる富士山は遠くから眺める
なだらかなすそ野が美しい富士山とは全く違った
荒々しい姿をしています。


右岸から見た大沢崩れ(2013年11月6日撮影)


過去には大沢崩れからの土砂の流出で下流域は度々被害を受けてきました。
そのため昭和57年より国土交通省による砂防工事が続けられています。
今回は国土交通省富士砂防事務所の方々に工事の現状を説明・案内
していただきました。

常に崩壊の続いている危険な場所ですので、ヘリコプターによる
無人作業が行われていました。
日本に3台しかない大型ヘリコプターだそうです!!


右:コンクリートブロック設置作業をしているヘリコプター(2013年11月6日撮影)


普段目にすることは少ないですが、
富士山では数多くの方が私達の安全のために
働いている事を実感した1日でした。



左岸からの大沢崩れ(2013年11月6日撮影)

<富士山砂防事業についての詳細(国土交通省 富士砂防事務所)>
(http://www.cbr.mlit.go.jp/fujisabo/jigyou/sabojigyou_top.html)

既に富士山は冬山です。
五合目でも雪、凍結、強風でスバルラインが通行止めになる日も
多くなってきました。
御中道にご興味のある方は来年の夏に足を運んでみてはいかがでしょうか。