アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
【報告】子どもパークレンジャー第3弾!「第4回箱根町子ども体験教室(自然体験)」(箱根地域)
2019年09月13日こんにちは。富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。
先日からご報告しております当事務所が行っております「子どもパークレンジャー」のラストを飾る第3弾をご報告いたします。
今回の第3弾「第4回箱根町子ども体験教室(自然体験)」では、箱根町教育委員会生涯学習課が箱根町内の小学生を対象とした夏休みのイベント企画の一つで、子どもパークレンジャー事業とタイアップして活動したものです。
テーマは「富士箱根伊豆国立公園の成り立ちを知ろう!」です。
第1回目や第2回目は火山噴火の仕組みやその歴史、箱根地域の動植物について学びました。
第3回目の今回は、富士箱根伊豆国立公園の成り立ちを地図で地形を学び、岩石を使った実験で地質や歴史を学びました。
【(左)巨大な赤色立体地図/(右)箱根みいつけた!】
神奈川県と静岡県が描かれた赤色立体地図。陸地の他にも海の地形が書かれていて、富士山、箱根、伊豆半島、伊豆諸島が海底で一つの山のような尾根で繋がっている事や南海トラフ、相模トラフの場所なども教えてくださいました。
【(左)国立公園の紹介/(右)箱根地域のシカ問題の紹介】
岩田 国立公園管理官より、国立公園についてどの場所が特別保護地区なのか、箱根のシカ問題について箱根ビジターセンターの展示を使って教えていただきました。
地元の子ども達なので、ジオラマを使うことで実際に見える山の形で金時山の特別保護地区や仙石原湿原の特別保護地区の場所を理解していただく事が出来ました。
【地質パズルから学ぶ地層年齢】
国立公園内の富士山、箱根、伊豆はそれぞれ誕生の仕方が異なるため、地質パズルを使ってどの地域の地層が古いかパズルに当てはめながら学びました。
ちなみに同国立公園内一番古いのは太平洋沖で誕生した伊豆半島地域。伊豆半島が地殻変動によって本州と合体したときに箱根火山が誕生し、その後に富士山が噴火し完成しました。意外にも南のほうが地質が古いんですね。
【(左)岩石調べ/(中央)標本板作り/(左)岩石標本板】
富士山は玄武岩、箱根は安山岩、伊豆半島は凝灰岩とそれぞれの地域では特長のある岩石が見ることが出来ます。その岩石を学ぶため、その岩石の特長にあった実験を行い、岩石を見分けました。
また、箱根のお隣にある丹沢山地は伊豆半島と同じく太平洋沖で誕生したことや、同県内にあるため、その岩石(石灰岩)を一緒に調べることになりました。
実験では鉄分を多く含む玄武岩、安山岩を調べるため、磁石がくっつくかの実験(安山岩、玄武岩はこれで分かる)、塩酸を垂らして反応するかの実験(石灰岩はシュワシュワと音を立てて溶ける)をしました。
分類できたところで、岩石をハンマーで細かく砕き、板に貼り付けて「岩石標本板」を作成しました。これで夏休みの宿題は完成かな?
本イベントはこれにて終了。今年も子どもパークレンジャーを通じて、箱根ジオについて、国立公園について少しでも興味を持っていただけたら幸いです。
来年も開催を検討中!ぜひご参加ください!
〈今回のイチオシ写真〉
【雨宿り・・・?】
箱根ビジターセンター周辺の園地で出会ったアカガエル。実際雨は降っておらず「蛇に睨まれた蛙」の如く、自分のカメラに睨まれて身動き出来ない様子でした。怖がらせてごめんね。