アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
【富士山編】開山前から出来る装備の状態とルールの確認
2021年07月14日AR日記をご覧の皆さま、こんにちは。
箱根事務所の高木です。
富士山の開山時期になり、2年ぶりに富士山にも登山客が戻りつつあります。
梅雨でなかなか外に出ることが出来ない今だからこそ、快適な富士登山に向けて装備の状態を確認してみてはいかがでしょうか。
- ●装備の状態をチェック
昨年は開山されることがなかったため、今年を楽しみに富士登山を計画されている方も多いかもしれません。
是非今年は例年以上にしっかりと準備をして、感染症対策も行い、事故無く楽しく富士登山を終えましょう。
<登山靴>
まずは登山靴から。
富士登山では、ハイカットの靴を選ぶと良いでしょう。スコリアが靴の中に入るのを防ぎ、また足首を固定する役割もあります。特に「砂走り」や「大砂走り」はゆっくり歩いても靴が数センチ沈みこむところもあるため、さらにゲイター(スパッツ)などを装備することも推奨されます。
靴の底などもはがれている場合がないように、今のうちに状態をしっかりチェックしておきましょう。状態に不安が残る場合には買い替えも検討した方がいいですが、試着はしっかりしておきましょう。
▲富士山は過酷な環境です。「これくらい良いか」と放置しないようにしましょう。
<ストック>
ストックは、特に下山時の膝への負担を軽減する際に有効です。
伸縮タイプのものは長さを調節するストッパーなどに異変がないか確認しましょう。また、登山道や植生の保護の為、キャップは必ずつけてください。
<ザック>
登山中に使い物にならなくなってしまわないよう、ザックに破れなどの破損がないか確認を。ウエストベルトの差し込みバックルなども耐久力があるかチェックしておきましょう。
▲差し込みバックル
<防水スプレー>
防水機能のあるザックや登山靴、レインウェアも使用を重ねていると、機能が低下することがあります。急な悪天候で雨に濡れてしまい、体力の低下やザックの中を水浸しにしない為にも今のうちに防水スプレーで対策を行っておくと安心です。
※防水スプレー・防水スプレーを使用する物品の、使用方法や取扱説明書を必ずご確認のうえご使用ください。
<感染症対策>
消毒ジェルや不織布マスク、密閉袋など感染症対策用の装備は個人で用意を。また、登山前の計画段階から体調管理を行って、症状がある場合には冷静な判断で中止・延期の決断をしましょう。
そして個人的なおすすめ装備として、軍手を持っていくと安心です。
登山技術・経験や歩き方にもよると思いますが、軍手(グローブ)は、例えば富士宮ルートの一部では岩がせり出しているような場所もあるので、手を守ってくれます。また、他のルートでも急な転倒の際には手のすりむきなどを防いでくれるでしょう。リーズナブルな価格もポイントです。ただし、保温の効果は低く、雨が降ると冷たい水分を含んでしまうので注意しましょう。
- ●ルール
富士山は国立公園と特別名勝及び史跡に指定されているため、自然公園法と文化財保護法によって、法律により禁止されている行為があります。
必ず下記のページを確認しておきましょう。
<富士箱根伊豆国立公園特別保護地区>
五合目より高い地域は国立公園特別保護地区に指定され、自然保護のため厳しい規制がかけられています。
また、世界文化遺産にも登録され、他にも溶岩樹形等の自然的・歴史的価値のある天然記念物がありますので、マナーを守った行動を心がけましょう。
最後になりますが改めて「withコロナ時代の新しいマナー」をよく確認して感染拡大防止に努めましょう。
Withコロナ時代の新しい富士登山マナー(PDF:278KB)