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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

運が良ければこんな景色も!<富士山頂編>

2017年08月25日
富士箱根伊豆国立公園 宍戸弘城

皆さんはもう富士山に登りましたか?
富士山は、時期や時間や天候によって様々な表情を見せてくれます。
今回は運が良ければ見られる山頂での光景をご紹介します。
(山頂以外でも見られるものも含みます。)

<ブロッケン現象>








ブロッケン現象と白虹

昔の人々は日の出の時刻に太陽の昇る東側ではなく、西側を向いていたと言われています。

何故人々は太陽の反対側を見ていたのでしょう?

実は人々はブロッケン現象を拝んでいたのです。

ブロッケン現象とは太陽光の反対側の霧などに自分の影が映り、その周りに虹が出る現象です(この写真では影がすこし分かりづらいですが...)。

昔はこの影を、光輪を背負った仏様だと考え、「御来迎(ごらいごう)」として拝していたようです。
そして時が経ち、いつしか人々は太陽そのものを「御来光」として拝むようになったようです。

この写真の外側にある白虹は、別名「霧虹」と呼ばれ普通の虹のように色が付いておらず、白っぽく見えます。虹が映る水滴の大きさの関係でこのような現象が起きます。

<御来光>










待ち望んだ瞬間





光のシャワーを浴びる

毎日太陽は昇っていますが、街中にいるとなかなか日の出の瞬間を見ることができません。富士山に登り、地平線の彼方から昇る太陽を見た瞬間、普段意識をしていなかった自然の偉大さ、荘厳さを感じることでしょう。
下界が曇っていても、富士山の標高の高い所では雲海の下から昇る御来光を見られるチャンスがあります。

<影富士>




朝の影富士

太陽の斜光線が富士山に当たり、その影が伸びていくと、太陽の反対側に富士山のシルエットが浮かび上がります。高さ3,776mの大きさの影ともなるとその姿は雄大で、街がすっぽりと富士山の影に覆われてしまいます。




夕方の影富士

綺麗な影富士を見られるチャンスは日に2回あり、日の出後と日没前の時間です。
朝の影富士は太陽のご来光の反対側の、朝霧高原や田貫湖の方向で見られます。夕方の影富士は逆に、山中湖や小山町方面に見ることができます。

<このしろ池に映る景色>




空を映すこのしろ池

富士宮ルート頂上部から富士山最高地点の剣ヶ峰へ向かって歩いて行くと、山頂公衆トイレの前の開けた場所に水たまりがあります。実はこの水たまり、「このしろ池」というれっきとした名前があります。この水は山頂の雪解け水が湧き出ているとも言われています。条件によっては「逆さ剣ヶ峰」が映るかもしれません。

次回は富士五湖の小西アクティブ・レンジャーによる麓から見た「運が良ければこんな景色も!」をお届けしますのでお楽しみに!