アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
芦ノ湖の水はどこに流れる?(箱根地域)
2020年03月18日
富士箱根伊豆国立公園
皆さん、こんにちは。
富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。
3月になり、芦ノ湖の釣りが解禁され、釣り人が増えてきた箱根です。
今回は、「深良水門(ふからすいもん)」をご紹介します。
箱根ビジターセンターから、この水門まで「芦ノ湖西岸コース」遊歩道の一部が台風被害から復旧しました。
※まだコース全体は復旧していません。
復旧した部分までのコース状況を確認するために、巡視を行って来ました。
コースの途中、まず「湖尻水門」が目に入ります。
芦ノ湖の水は普段、川には流れません。
ただし、増水時だけこの「湖尻水門」を解放して「早川」に水を流すことがあります。
この湖尻水門を通り抜けて、芦ノ湖沿いを歩くと「深良水門」が見えてきます。
300年ほど前の江戸時代、約4年をかけて「箱根用水」が作られました。
人力のみの大工事で、箱根外輪山にトンエルを掘り、用水路を駿河湾まで通したのです。
当時の職人たちの、技術の高さに驚かされます。
そして、静岡県裾野市付近にあった深良村の干ばつを救いました。
静岡県に芦ノ湖から命の水を送った、箱根用水の取水口「深良水門」。
このコースを歩くと、そんな歴史に触れることが出来ます。
自然も豊富な散策路です。
鬼も縛れる?茎が折れずに、ロープのようにしなる「オニシバリ」
緑色のお花がこの時期咲いて、良い香りが漂います。
図鑑で調べると、学名にjaponicaの名が付いていました。
かわいらしい青い花に、心が温かくなりました。
動物の足跡や、春の蝶たちも観察しています。
深良水門まで歩きやすい道が続き、散歩にもほどよい距離です。
箱根の湖尻地域に来たときには、是非「深良水門」まで足を伸ばしてみて下さい。