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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

箱根、明神ヶ岳(箱根地域)

2020年11月18日
富士箱根伊豆国立公園

皆さん、こんにちは。

富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。

10月初旬に、箱根外輪山の「明神ヶ岳」へ巡視に行ってきました。

箱根で人気の登山スポット金時山を横から見ることができ、人気の山です。

山頂に向かう途中、すれ違ったハイカーさんから質問をされました。

「山頂付近の青い花は何の花ですか?」

その時はわからなかったのですが、探しながら進むと、ありました。

【ヤマトリカブト】

質問の答えはヤマトリカブトでした。猛毒で有名な植物ですので、二ホンジカは食べません。背丈が短く直立した形状のものは、特にハコネトリカブトといわれます。風が強く植物にとって生存が厳しい「風衝地帯」でも生き残れるように、ヤマトリカブトが環境に適応した姿といわれます。

この山では金時山と同様に、登山者カウンターを設置して、ハイカーの数を数えています。

写真は高木アクティブレンジャーがカウンター確認をする姿です。

雲が晴れていると、金時山の向こうに富士山をみることができます。

この日は残念ながら、富士山はお休みでした。

【登山者カウンターメンテナンス中】

山頂付近には自然の崩落があり、ロープ柵により立ち入りを制限した箇所があります。過去この崩落部において、植生復元の為の作業を実施しました。

作業の様子 → https://kanto.env.go.jp/blog/2018/01/post-457.html

その時植えたフジアザミが、写真のように咲いていました。崩落部の土に根を張って、頑張っています。


【元気なフジアザミ、隣のアザミ類と比べて花の大きさが格段に大きいです】

実は明神ヶ岳は、箱根に増えつつある二ホンジカが丹沢方面や山梨県側から入ってくる入り口的な場所と考えられています。ホタルブクロやマツムシソウは食べられたせいか、矮小化し地面すれすれのところで花をつけています。この付近ではシカによる植生への食害影響が大きく、そのため神奈川県では周辺での捕獲対策を実施しています。

【背丈のほぼない、ホタルブクロとマツムシソウ】

山頂付近には二ホンジカの足跡が残されていました。

【崩落部立ち入り禁止ロープの向こうに、ニホンジカの足跡】

ロープ沿いには、フジアザミが咲いています。ニホンジカもアザミ類は棘があり、今は食べずに避けているのでしょうか。イノシシはフジアザミの根を堀り返して食べるようですが、ここではそのような被害はまだありませんでした。

この時の巡視からは約1ヶ月以上が経ちました。季節はすっかり秋めいており、箱根は紅葉の見頃を迎えています。明神ヶ岳に行くときには、金時山や富士山の姿はもちろん、足元のフジアザミの様子も眺めてみてください。花の後に観察できるタンポポの綿毛のような「冠毛」をつけた種子の様子や、「ロゼット」といわれる地面に平たく葉を広げた越冬用の変身した姿を観察して、来年のフジアザミ開花を楽しみにしてください。もしかしたら、アクティブレンジャーとすれ違うこともあるかもしれません。