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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

そっと、ゆっくり ~ 伊豆諸島地域アクティブレンジャー写真展開催中

2023年12月28日
伊豆諸島 小野可蓮
鳥と花が好きな小野可蓮です。
もうすぐ2024年ですね。
今年の冬は伊豆諸島にもイスカが来ているようです。
わたしも神津島で一羽のメスに遭遇できて、あの特徴的な鳴き声を聴くことができました。
ようやく寒くなり始めましたが、みなさまも冬を満喫されていますか?
 
今年も伊豆諸島地域では「アクティブレンジャー写真展」を、大島にて開催しています! 昨年の様子 一昨年の様子
開催時期は年末年始を挟んでいるので、本土+島に帰られる沢山の方々に見ていただけると嬉しいです。
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△ 展示風景 大島の岡田港2Fのジオステーションにて

伊豆諸島から選んだ1枚は、、、?

 
こちらです。

タイトルは「そっと、ゆっくり」。

 
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△「三本岳」左から、大根、海老根、子安根
伊豆諸島に散らばる無人島は様々な海鳥の大切な繁殖地。
これは三宅島の沖合にある、大小10の島からなる無人島、「三本岳」です。
実は、1975年に天然記念物に指定された、「カンムリウミスズメ」の大切な繁殖地になっています!
そのため「国指定鳥獣保護区」の特別保護地区にも指定されています。
 

小さく希少な海鳥、カンムリウミスズメ

 
カンムリウミスズメについて、せっかくなので、少し紹介したいと思います。
あまり知られていないかもしれませんが、1年の大半は外洋で生活している、無人島や岩礁で繁殖する「小さな海鳥」です。
南方で繁殖するウミスズメの仲間は世界的に見ても少なく、日本近海に推定5,000羽しか生息していない、極めて希少な種です。
環境省で絶滅危惧種Ⅱ類に、IUCN(国際自然保護連合)でもVU(危急)に、指定されています。
わたしも実物は見たことがないのですが、海に浮いている姿は500mlのペットボトルより小さく、見つけるのが難しいそうです。
 
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△ カンムリウミスズメ 繁殖期に見られる、冠羽が名前の由来 過去レンジャー撮影

守りたい命を支える場所

そんなカンムリウミスズメは今、絶滅の危機に晒されています。
理由としては、繁殖地である無人島で磯釣りが盛んになり、撒き餌などに誘引されたカラス等が、卵や雛のみならず親鳥も食べてしまうようになったことです。
その他にも、繁殖地によっては人の移動の際にネズミ類が入り卵を食べてしまったり、漁網による混獲があったり。
過去には、19世紀に卵や親鳥が捕獲されていたことや、戦後は大野原島が米軍の空爆練習場所になっていたことも影響し、元々数を減らしてしまいました。
 
無人島と聞くと、私たちの日常生活に関係がないと思われるかもしれませんが、そのような自然が残された場所は、他の生き物たちにとって欠かせない場所です。
たとえ一種でも絶滅が起きると、(海洋)生態系の繊細なバランスが崩れ、海の豊かさが失われることにも繋がります。
日本近海の限られた離島でしか繁殖しない、希少な海鳥のカンムリウミスズメ。
そんな生き物たちとその居場所を、これからもずっと大事にしていきたいという想いを込めて、三本岳の夕日の写真にしました。

 
 
 
実はこの写真、三宅島の温泉の駐車場から撮った一枚なんです!
そう、三宅島では当たり前のように見られる(露天風呂からも)、贅沢な景色。
この日は仕事終わりにみなさんと温泉に行ったのですが、わたしだけ夕焼けの写真を撮るのに夢中で、日が沈んでからしか温泉に入りませんでした(笑)
 
 
岡田港では、伊豆諸島についてのパネルも展示中です。             
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△ 伊豆諸島パネルなど
部数が限られていますが、今年作成した「伊豆諸島を楽しむ旅の心得」も置いてありますので、お手に取っていただけばと思います。
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△ 伊豆諸島を楽しむ旅の心得
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2023年は学びが多く良い一年でした。
2024年もどうぞよろしくお願いします。

みなさまにとっても素敵な一年となりますように。

 
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