アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
登山者カウンターの現地作業
2022年02月21日AR日記をご覧の皆様、こんにちは。
箱根事務所の高木です。
箱根地域では、登山者数調査のために金時山と明神ヶ岳に登山者カウンターを設置しています。
通年設置しているため、点検やデータの回収が日常的な業務のひとつになっており、月に一回程度で作業をしています。
得られたデータは集計して、登山者数の推計に使用するので重要なものです。
また、登山者数のデータは、警察署などからの依頼により情報提供をすることもあります。
▲明神ヶ岳山頂の登山者カウンター(赤丸内)
先日は、明神ヶ岳へ作業に向かいましたのでその様子をお伝えします。
明神ヶ岳の山頂には西と東の2ヶ所から登山道が続いていて、それぞれに登山者カウンターが設置されています。
作業内容は主に二つ。
・施設の点検 と、
・データの回収 です。
登山者カウンターは頑丈な作りになっていますが、雨風に晒される過酷な山頂の環境ですので、ボルトの緩みが無いか、漏電していないかなどのチェックは必須です。
特に、明神ヶ岳は機器の内部に砂粒が侵入するほどの場所もある風衝地ですので、下の写真のようにアクリルパネルで風よけのカバーを付けてみるなど試行錯誤しています。
▲砂塵侵入防止のカバー
また、バッテリーを運ぶ日もあります。
登山者カウンターはソーラーパネルからも電力は供給されますが、あくまで補助的なものなのでバッテリーが充分に無いとデータの回収に支障をきたしてしまいます。
そのため、ソーラーパネルをきれいに拭くこともカウンターの適正な維持管理につながってきます。
ただし、このバッテリーが片手で持つとずっしりと感じるほど、とっても重いのです。量ってみたら、重さは4kgほどでした。荷物を少なくしたくなる登山にとってはかなりの試練ですが、良いトレーニングになります。
また、バッテリーを運ぶ日は、意識的に歩くスピードを落とさないとすぐにバテてしまうので、じっくり歩く忍耐力が試されます。
最後に、データが保存されている記録媒体を交換して、データの回収が終了です。
もちろん電子機器ですので、水分は厳禁です。雨の日の作業はなるべく避けるようにしています。
▲登山者カウンター
ちなみに、上の写真の鉄板に囲われている部分からセンサーが出ています。通り過ぎる際は一人ずつゆっくり通って頂けると正常なカウントとなるのでご協力をお願いします。
富士箱根伊豆国立公園管理事務所では、毎年5月頃に年度毎のデータを公表していますので、時間がある方はご覧になってみてください。
■環境省_富士箱根伊豆国立公園 (各種資料_箱根地域(ページ中段))