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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

現場のレンジャー・アクティブレンジャーが教える快適登山の極意 「ずらして快適富士登山!」

2016年07月11日
富士箱根伊豆国立公園 宍戸弘城

今夏の富士山も、1日に山梨県側の登山道が山開きし、10日には静岡県の登山道が山開きし、いよいよシーズン真っ盛りに突入します。吉田口六合目の安全指導センターでのカウントによると、6日までの登山者数が、昨年同時期に比べ6541人(131%)多かったそうです。

沢山の登山者が訪れる富士山では、登山中に渋滞なども発生します。渋滞に巻き込まれると、自分の登るペースが乱れたり、疲れたときに休憩ができなくなったりしてしまう上、落石事故に巻き込まれる危険も多くなります。また、周りの自然などをゆっくり観察する余裕もなくなってしまいますね。
そんな混雑に巻き込まれず、より安全・快適に登山ができる極意をお教えします。
ズバリ、ポイントは「ずらし」にあります!

①時期をずらす



昨年、一昨年の登山者数が多かったベスト5です。赤字の日付が海の日~お盆の日になります。例年、お盆以降は登山者が減少傾向になります。

今年も海の日あたりは避けたほうがいいかもしれません。

②曜日をずらす


平日と休日の登山者比

曜日毎の登山者数平均

昨年度の平日と土日祝日の登山者数を比べると、土日祝日の登山者数は平日の2倍にもなります。

全曜日の中では、土曜日の登山者数が1番多くなります。


週末は避けたほうがよいですね。

 

③時間をずらす


各登山道8合目を通過する登山者数(中央値)

吉田ルートの八合目の登山者数に注目すると、時間によって、ピークが3つあることが分かります。日帰りの登山者は朝早くに出発、途中で山小屋に宿泊する登山者は夕方ごろ、御来光を目指す登山者の深夜のピークも確認できます。1泊2日の場合、お昼より前に出発して、早めに山小屋に着いてゆっくりするプランのほうが、混雑を避けられます。

(ただし、山小屋によっては早めにチェックインができないので、事前に山小屋に確認をお願いします!)

④ルートをずらす


例年、吉田ルートの登山者が最も多く、昨年は全体の6割近くの登山者が吉田ルートを登りました。ルート選びに関しては、各ルート毎に特徴や難易度が違いますので、ご自分の体力や目的に合うよう、じっくり検討して下さい。

⑤場所をずらす



多くの人が御来光を山頂から眺めます。しかし、じっと動かず御来光を待っている時間というのはとても寒く、結構大変です。そこで、御来光を山頂以外で見ることもオススメします。例えば山小屋から御来光を見る場合、ギリギリまで寝ていられますし、寒くなったらすぐ山小屋に入れます。また、陽が登ってから歩くほうが、安全で景色も楽しめます。


以上のずらしポイントふまえて登山計画を立てると、大分混雑の少ない、安全快適な富士登山が楽しめるはずです。


これから富士山に登ろうという方はぜひ「ずらし」を意識してみて下さい!