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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

筍にょきにょき

2013年03月05日
富士五湖
3月に入り春の気配を感じるようになってきました。

この冬は全国的に雪が多く、雪国の方々は
大変な思いされているかと思いますが、
ここ山梨でも例年に増して雪の降る回数が多かったです。


今日はそんな冬の間ににょきにょき成長した筍をご紹介します。

とは言っても植物の筍ではなく、氷でできた筍で
氷筍(ひょうじゅん)と呼ばれています。
つららや天井から落ちた滴が凍り積み重なって
塔のようになったものです。


河口湖フィールドセンター内には船津溶岩樹型という
洞穴群があり、大小100を超える溶岩樹型(※)が点在しています。
国の天然記念物であり、世界文化遺産構成資産の推薦箇所
にもなっています。

 ※溶岩樹型とは、噴火によって流れてきた高温の溶岩が
  樹木を取り囲み、冷え固まった際に中にあった樹木が
  燃えてなくなり空洞になったものです。


溶岩樹型には縦型・横型など色々あります(H25年3月1日撮影)



今年はこの中の氷筍が例年になく立派に成長しています。

昨年は大きくても50cm程度でしたが、今年は大きなものでは
70cm程になり、中にはつららと氷筍がつながったものも
ありました。


つららと合体した氷筍(H25年3月1日撮影)



つららや氷筍が全くない洞穴もあり、できるのには
様々な条件が必要ですが、大きさは違っても
できる場所は毎年だいたい同じで、寒すぎても
滴が凍ってしまって下に落ちないので0℃前後が
最適だそうです。


おチビちゃん達もいました(H25年3月1日撮影)



元々は木であった洞穴の中にしゃがみながら、
富士山噴火の際の溶岩がこの辺りに生えていた巨木達を
覆い尽くしていった様子や1滴1滴の水から氷筍が
できる過程などに思いをはせると改めて自然のすごさを
感じます。


河口湖フィールドセンターには、1周500mの散策路があり
これらの溶岩樹型を見ながら散策をする事ができます。(有料)

氷筍をご覧になりたい方は、暖かくなるにつれ
なくなってしまう可能性もありますので、
事前に河口湖フィールドセンターにご確認ください。

河口湖フィールドセンター
 山梨県南都留郡富士河口湖町船津6603
 TEL:0555-72-4331
 http://www.mfi.or.jp/sizen/shizen.html

また、洞穴内は地面が凍っていてとても滑りやすいです。
くれぐれもお気を付けください。