
アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
富士山麓のさまざまな魅力を伝えるための活動をご紹介富士山麓インタープリテーション計画づくり1
2025年03月19日
富士五湖
こんにちは。富士箱根伊豆国立公園 富士五湖事務所の半田です。
昨年10月から2月にかけて地元の皆さんと一緒に取り組んだ、満喫プロジェクト富士山麓地域協議会での「富士山麓インタープリテーション全体計画」(以下、IP計画) の作成についてご紹介します。
今、日本では多くの外国人が日本各地を訪ね、テレビでは多くの旅番組で地域の魅力が発信されており、その中には国立公園の美しい自然も含まれています。皆さんは日本の国立公園、いくつ訪ねたことがあるでしょうか? そして、そこでの体験でどんなことが心に残っていますか?
私たちの地域で言えば、「富士登山」「富士山観光」は誰にとっても大きな感動体験だと思います。富士山地域は、大変多くの来訪客で賑わいますが、富士山に登ったり富士山の景色を眺めたらそれでおしまいになっていて、富士山麓の様々な魅力に触れることなく帰ってしまうケースが多いのが実情です。
せっかく、富士山地域を訪ねてくれたのだから、ぜひ長く滞在し、富士山麓の地元の魅力を満喫して、より上質な体験をして欲しいと考え、環境省の推進する満喫プロジェクト(※1)の一つとしてIP計画の策定に取り組みました。
※1… 満喫プロジェクトとは、国立公園の保護と利用の好循環により、優れた自然を守りつつ地域活性化を図る、日本全国規模での取組みです。
昨年10月から2月にかけて地元の皆さんと一緒に取り組んだ、満喫プロジェクト富士山麓地域協議会での「富士山麓インタープリテーション全体計画」(以下、IP計画) の作成についてご紹介します。
今、日本では多くの外国人が日本各地を訪ね、テレビでは多くの旅番組で地域の魅力が発信されており、その中には国立公園の美しい自然も含まれています。皆さんは日本の国立公園、いくつ訪ねたことがあるでしょうか? そして、そこでの体験でどんなことが心に残っていますか?
私たちの地域で言えば、「富士登山」「富士山観光」は誰にとっても大きな感動体験だと思います。富士山地域は、大変多くの来訪客で賑わいますが、富士山に登ったり富士山の景色を眺めたらそれでおしまいになっていて、富士山麓の様々な魅力に触れることなく帰ってしまうケースが多いのが実情です。
せっかく、富士山地域を訪ねてくれたのだから、ぜひ長く滞在し、富士山麓の地元の魅力を満喫して、より上質な体験をして欲しいと考え、環境省の推進する満喫プロジェクト(※1)の一つとしてIP計画の策定に取り組みました。
※1… 満喫プロジェクトとは、国立公園の保護と利用の好循環により、優れた自然を守りつつ地域活性化を図る、日本全国規模での取組みです。
これまでの経緯
令和6年 10月10日
テーマ「地域の魅力をみんなで深掘りしよう!」
「訪れた人にどんな体験をしてほしいか考えよう!」
https://www.env.go.jp/park/fujihakone/effort1/mankitsu/workshop_1st.html
テーマ「地域の魅力をみんなで深掘りしよう!」
「訪れた人にどんな体験をしてほしいか考えよう!」
https://www.env.go.jp/park/fujihakone/effort1/mankitsu/workshop_1st.html



この取り組みに賛同頂ける様々な地元事業者(ネイチャーガイド, キャンプ施設, 観光業者 等)、行政関係者等々の参加協力を頂きながらスタートしたワークショップ。
インタープリテーションとは、本来は “翻訳” と言う意味ですが、国立公園や観光地においては、様々な観光資源が持つ魅力や価値を訪れた方に分かり易く伝える “解説“ という意味で使われます。その担い手は、単にツアーガイドだけでなく、旅館の仲居さんも、タクシーの運転手さんも吉田のうどんの店主だって来訪客の皆さんに地域の魅力を話す時、皆さん、インタープリター(伝え手="触媒") であるということを学びました。その土地の『資源』と『来訪者』を繋ぎ、驚きや感動、気づきなどの"化学反応"を引き起こす"触媒"という意味です。その上で、みんなで富士山麓の魅力 (自然・歴史・文化・食・アクティビティなど) として欲しい体験を出し合いました。
「三人寄れば文殊の知恵」と言いますが、『資源』が134件、『体験』が65件と非常にたくさん拾い出されました
インタープリテーションとは、本来は “翻訳” と言う意味ですが、国立公園や観光地においては、様々な観光資源が持つ魅力や価値を訪れた方に分かり易く伝える “解説“ という意味で使われます。その担い手は、単にツアーガイドだけでなく、旅館の仲居さんも、タクシーの運転手さんも吉田のうどんの店主だって来訪客の皆さんに地域の魅力を話す時、皆さん、インタープリター(伝え手="触媒") であるということを学びました。その土地の『資源』と『来訪者』を繋ぎ、驚きや感動、気づきなどの"化学反応"を引き起こす"触媒"という意味です。その上で、みんなで富士山麓の魅力 (自然・歴史・文化・食・アクティビティなど) として欲しい体験を出し合いました。
「三人寄れば文殊の知恵」と言いますが、『資源』が134件、『体験』が65件と非常にたくさん拾い出されました
令和6年11月 6日
テーマ「どこがすごいのかという視点で "資源" と "体験" を共有し、魅力や価値をさらに深掘りしよう!」
https://www.env.go.jp/park/fujihakone/effort1/mankitsu/workshop_2nd.html
テーマ「どこがすごいのかという視点で "資源" と "体験" を共有し、魅力や価値をさらに深掘りしよう!」
https://www.env.go.jp/park/fujihakone/effort1/mankitsu/workshop_2nd.html



第1回で出された『資源』や『体験』を元にその価値は何がすごいのかを深掘りしつつ、『資源』と『資源』をつなぎ合わせて、訪れた人にどんな体験をして欲しいか、アイデアを出し合いました。さすが、地元愛に溢れる皆さん、湯水のようにアイデアが湧き出て、19の深掘りされた魅力に纏められました。
この日は、ワークショップ後に親睦も兼ねて懇親会が催され、地域の皆さんの交流の絆がより一層深まりました。
この日は、ワークショップ後に親睦も兼ねて懇親会が催され、地域の皆さんの交流の絆がより一層深まりました。
令和6年12月12日
テーマ「わたしたちが伝えたい地域の魅力をストーリーにしよう!」
https://www.env.go.jp/park/fujihakone/effort1/mankitsu/workshop_3rd.html
テーマ「わたしたちが伝えたい地域の魅力をストーリーにしよう!」
https://www.env.go.jp/park/fujihakone/effort1/mankitsu/workshop_3rd.html



3回目のワークショップ。これまでに出された『資源』をグルーピングし、その魅力・価値を分かりやすく伝える短い文章をテーマごとに作ります。今回は、事務局メンバーが屋台の店主のように各テーマのファシリテーターとなり、参加者の皆さんが思い思いの屋台を訪ねて議論をしていくスタイルで、私も富士山麓で採れる様々な農作物とニジマスやワカサギなどの水産資源の2つの屋台(グループ)を担当する店主(ファシリテーター)の役となりました。私の屋台では、話し合って行くうちに、単に農作物と水産物という2つに分けるのではなく、なぜ、この地でそれらが名産になったのかを掘り下げて、溶岩大地で痩せて農作物がなかなか採れない中での苦労の歴史とその一方で豊富で上質な湧水の恵みによってもたらされた、ワサビや養鱒(ニジマスの養殖)などにグループを分け直し、それぞれに食べ物の裏に富士山麓の自然環境が感じられるようなメッセージをみんなで一緒に考えました。
そうして、作られたIPの核となるそれぞれの短文を披露。すると、この短時間で考えたとは思えない広告代理店顔負けな文章を披露するグループや、まるでポエムのような文学的でエモーショナルな文章を披露するグループなど実に多彩。富士山麓の様々な魅力的な『資源』があるのと同じように、様々な才能溢れる『人財』の宝庫でもあるんだなとあらためて感じました。
そうして、作られたIPの核となるそれぞれの短文を披露。すると、この短時間で考えたとは思えない広告代理店顔負けな文章を披露するグループや、まるでポエムのような文学的でエモーショナルな文章を披露するグループなど実に多彩。富士山麓の様々な魅力的な『資源』があるのと同じように、様々な才能溢れる『人財』の宝庫でもあるんだなとあらためて感じました。
富士山麓IP全体計画(案)の作成
全3回のワークショップで出された『資源』(魅力・価値)やそれを紹介する短文、来訪者に体験してもらうための様々なアイデアなどのエッセンスを事務局で持ち帰り、整理・深堀り・統一感のある再構成などを経て、富士山麓のインタープリテーション全体計画(案)が作られました。
私自身は参加していませんが、事務局メンバーで “クリスマス合宿” をした話も伺いました。単なる仕事の枠を越えたスタッフの方々の熱意にも、とても感謝しています。
さて、そうして作られたIP計画。その一部はこのようなものです。
私自身は参加していませんが、事務局メンバーで “クリスマス合宿” をした話も伺いました。単なる仕事の枠を越えたスタッフの方々の熱意にも、とても感謝しています。
さて、そうして作られたIP計画。その一部はこのようなものです。




もしかしたら、お金をかけてマーケティングリサーチを行い、プロのコピーライターを雇ったら、似たようなものが、もっと短期間で作れるのかも知れません。しかし、ここで違うのは地元の方と一緒になって意見を持ち寄り、時間を掛けてじっくりと回を重ねながら作り上げたことによって、地元の方々の『地元愛』が散りばめられたIP計画であり、誰かが作ったものではなく、みんなで作り上げた「共有のツール」となったことだと思います。このことは、地域の「みんなでつくり、みんなでつかう」という今回のプロジェクトの合言葉にして、みんなで取り組んだ賜(たまもの)だと思います。
でも、このIP計画、実は、これで完成ではありません。
令和7年2月10日に田貫湖エリアを舞台に、再びワークショップに参加の皆さんで集まり、このIP計画(案)を共有する場が設けられることになりました。その時の模様は次回のAR日記にてご紹介したいと思います。
お楽しみに!!
でも、このIP計画、実は、これで完成ではありません。
令和7年2月10日に田貫湖エリアを舞台に、再びワークショップに参加の皆さんで集まり、このIP計画(案)を共有する場が設けられることになりました。その時の模様は次回のAR日記にてご紹介したいと思います。
お楽しみに!!
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