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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

国際シンポジウム

2013年02月20日
富士五湖
2月8日に山梨県環境科学研究所(http://www.yies.pref.yamanashi.jp/)
にて国際シンポジウムが開催されました。
2008年から3年連続で開催されていましたが、
今回は2010年以来3年ぶりの開催です。


沢山の方が参加されていました(H25年2月8日撮影)


テーマは「自然公園(※)としての富士山-4 ~地域社会における自然公園の役割:ヨーロッパから学ぶ」。


オーストリア、イギリスからを含め6名の専門家の方々が
テーマに沿って講演をして下さいました。
ヨーロッパの国々での仕組み・現状については
なかなか知る機会がないので、とても勉強になりました。


私は国立公園というとまずアメリカが浮かんできます。
過去3回のシンポジウムでもアメリカの国立公園
(特にイエローストーン国立公園)についての
講演が多かったようです。

アメリカの国立公園が原生的な自然を保護するために
連邦政府公園局が土地を自ら所有して管理する制度を
とっているのに対して、古くから人間が生活をし、
開発が行われてきた日本やヨーロッパでは、
人の手が入った場所も含め、誰が土地を所有しているかに
関係なく公園の範囲を設定する制度を採用している点で
大きく異なります。

その点でヨーロッパと日本は似ている制度ではありますが、
国によって制度も形態も様々だという事を学びました。

印象的だったのが、ヨーロッパでは国立公園は自然保護と
国民のレクリエーションの場としてだけでなく、
地域発展も目的のひとつになっていて、
持続的観光の推進・文化的景観の保全・地域コミュニティーの
活性化・地域特産物のプロモーションなど
地元の人々が運営に積極的に関わっているという事でした。


地元特産のナシを使った特産品(オーストリア)(H25年2月8日講演スライドより)


日本でも国立公園の適正な管理のために関係者が
「協働」する事が必要ということで、
「国立公園における協働型運営体制のあり方検討会」
を組織し様々な検討がなされています。

まだ着任したばかりですが、地元の方々とどんどん交流をして、
一緒に良い国立公園にしていきたいと思いました。

(※日本での「自然公園」とは「優れた自然の風景地を保護するとともに、
その利用の増進を図ることにより、国民の保健、休養及び教化に
資するとともに、生物の多様性の確保に寄与することを目的」
として自然公園法によって指定された公園の事で、
国立公園・国定公園・都道府県立自然公園が該当します。)