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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

海と鳥と魚のおはなし 大島~新島(伊豆諸島地域)

2021年05月24日
伊豆諸島 小野可蓮

お久し振りです!鳥と花が好きな小野可蓮です。

先日は新島で蛇が大好きになってしまいました(その話はまた今度にしましょうか!)。

さて、内地から伊豆諸島に来るときは、多くの場合東京竹芝桟橋からの大型船や高速船を利用することになると思います。

高速船の方が時間短縮に思えるかもしれませんが、大型船でしか出来ないことがあるんです。

それは!デッキに出て!海鳥ウォッチングをすること!

せっかく海の上に出るんだから、外に出られないなんてもったいなさ過ぎる!ということに後から気付きました。

やはり海の近くに住んでいないと、中々海鳥に興味を持つ機会もないですが、私も大型船と伊豆諸島のお陰で海鳥が好きになってきました。

今回は巡視のため新島に行く途中、大島~神津島航路で「オオミズナギドリ(Calonectris leucomelas)」(ICUNレッドリスト準絶滅危惧種)の大群が見られました。

▲オオミズナギドリの大群

普段は海上でイワシなどを食べながら生活していますが、繁殖期になると地上で横穴を掘り子育てをします(その間は夫婦交代で海に出て餌を確保するそうです)。

その集団繁殖地のうちの一つは、伊豆諸島の御蔵島にあります。

この日合計1万羽以上は見たと思うのですが、それ以上は数えきれませんでした。

▲オオミズナギドリ

飛翔中、背中側は黒く見え、腹側は白く見えます。

しかしあれほどの数の海鳥が海上を飛んでいるということは、それだけ餌の魚がいるということに加え、それを食べに来ている大型肉食魚もいるということになりますよね!?!

想像すると見えている以上の壮大な光景を目前にしていることが分かります。

海鳥だけではなく、他にも「とぶ」生き物が見られます。

▲トビウオ

速過ぎてぶれぶれですね(笑)

最初に見た時は、海鳥かと思うくらい、滑らかに素早く飛んでいきました。

3秒くらい飛んでいる姿が見えるとはいえ、その不思議さに見入っていると、ほんの一瞬に感じます。

▲トビウオ

着水(入水?)した瞬間を捉えました。「ぱちゃっっ」という音が聞こえてきそうですね。

飛ぶために発達した鰭(ひれ)もあんなに輝いて見えるなんて知らなかったです。

やはり実物を見ると感動が違いますね。

わたしも跳びたい気持ちにならざるを得ませんでした。

伊豆諸島に来るのも良し。

大型船に乗って海鳥や島々の景色を楽しむのも良し。

▲地内島(新島村)

大島~神津島航路では、オオミズナギドリ、クロアシアホウドリ、カンムリウミスズメ、アオツラカツオドリ、トウゾクカモメ、ミツユビカモメ、ウミネコなどが見られます。

一週間、大型船に乗り続けて、海鳥を観察し続けられたらどんなに良いことですかね~

まだ乗られたことのない方は、是非あの特別な時間を一度味わいに来て欲しいです!

コロナウイルスの影響が落ち着いたら、島々と海鳥を楽しむ船旅を計画してみてはいかがでしょうか?

【ご注意ください】

伊豆諸島では、自治体ごとに来島のガイドラインを掲げ、島内での感染拡大防止への協力を求めています(2021521日現在)。伊豆諸島へ旅行を計画されている方は、自治体や観光協会のホームページで来島のガイドラインをよく読み、最新の情報を必ず確認してください。