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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

箱根地区パークボランティア活動「仙石原湿原モニタリング」(箱根地域)

2019年05月24日
富士箱根伊豆国立公園

こんにちは!富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。

春の様子から一変、山肌は深緑になり、木々の間を吹き抜ける風に湿気を感じることが多くなってきました。

さて、今回は環境省が認定している「箱根地区パークボランティア」の活動をご紹介します。箱根地区では現在93名の方がパークボランティアに登録し、自然解説活動、自然環境の情報収集、登山道の補修活動、美化清掃など幅広く活動しています。

昨日は、今年度より始まった仙石原湿原内での自然情報収集活動が行われ、当職もどのように活動されるのか把握するため、同行してきました。

【仙石原湿原(左)と調査の様子】

仙石原湿原は、神奈川県で唯一湿原です。環境省の特別保護地区に指定され、さらにその一部は国の天然記念物に指定されているとても貴重な湿原です。3月に行われた山焼き(参照:2019年03月20日 箱根の春を告げる風物詩)によって維持されている湿原には多くの湿性植物が生育しています。

以下は調査中に見つけた植物をご紹介します。

【モウセンゴケ】食虫植物で湿原特有の植物です。

【アマドコロ】日当たりのよい場所に生える種類です。葉の付け根から吊り下げる花が特徴の植物です。

【サワフタギ】湿り気のある場所に生育する種類で湿原の周りに生育しています。維持管理をしないとこのような木々が多く生えてきます。

今回、植物はつぼみ、開花、実をつけているものを限定して調査をしましたが、約55種類以上の植物を確認しました。スゲの仲間がとても多く、専門家のお話によると箱根はスゲの仲間が生えやすい環境でそれらを観察するにはうってつけの場所だといいますが、素人の私には同定ポイントがとても難しく、お手上げ状態です。それらが分かるパークボランティアの知識に脱帽です。今後も引き続き調査をしていきたいと思います。

※一般の方がこの場所に立ち入って観察することは難しいですが、湿原に隣接する箱根湿生花園では同様な植物をご覧いただけます。そちらをご利用ください。