アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
箱根白浜(箱根地域)
2021年03月19日みなさん、こんにちは。
富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。
今回は、冬の芦ノ湖西岸「白浜」巡視状況をお知らせします。
【冬の白浜】
【最近ダイサギが良く現れます】
夏から秋にかけては、BBQや焚火、花火の残骸に悩まされた白浜でした。
夏の白浜についてはこちらをどうぞ⇒アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]_白浜巡視清掃 (env.go.jp)
12月に入って漁期が終わり、白浜を訪れる人は減ったようです。人に会うことが少なくなりました。このまま、春までは芦ノ湖西岸コースのハイカーが時折利用する程度で落ち着くのではと思われましたが、予想に反し、大きな変化が起こっていました。
【上:白浜一面のシカの足跡】
【左下:シカに食べられ、折れたネコヤナギ 右下:シカの毛】
シカです。
これまで箱根地域では明神が岳や仙石原湿原など、別の箇所でのシカ被害が問題となっていましたが、とうとう芦ノ湖西岸でもシカが増えているようです。
その影響により、春から夏にかけて、美しく茂る白浜のネコヤナギが食べられています。そのため、今年はネコヤナギの美しい銀色の花芽は少なそうですが、2月の末になると少量ですが、花芽が芽吹いてきました。植物はたくましいです。
【少量ですが、銀色の花芽が確認できました】
シカも必死で生きていますが、本来いなかった動物が新たに増えることは、やはり自然の状態や生物多様性に大きな変化をもたらすことを体感させられました。今、同様の出来事は、日本の各地で起きています。小さな白浜の状況については、今後も記録を継続します。
また、今年の芦ノ湖はとても水位が低いです。そのため夏と比較して、白浜の面積が広く、良かったこととしては、漂着ゴミや釣り糸ゴミを回収出来る部分が広がりました。
【漂着した長靴のゴミ】
コツコツと拾い続けていますが、終了するにはまだ先は長いようです。ごみ拾いは、続けていくことが大切ですね。
白浜の変化を知ってか知らずか、シカ以外の動物たちも気ままに白浜周辺で生活しています。
【タヌキの足跡でしょうか】
ヒガラの混群が水浴びに訪れたり、カンムリカイツブリが湖面に現れたりと、鳥たちがゆっくり時間を過ごしています。もうすぐ春の訪れも近いのでしょう。花の季節はもう間もなくです。
3月に入ってからは、芦ノ湖の釣りが解禁されました。白浜周辺では道が細く、駐車スペースは基本的にはありませんが、車が増えているのが気になります(箱根港周辺のパーキングの使用を推奨いたします)。人が増えてごみも増える可能性があります。実際に、たばこの吸い殻ゴミが浜に増えはじめました。特に焚き火は国立公園内では禁止されていますので、山火事等の事故につながらないように、すれ違う皆さんには時折声かけをさせて頂いています。
これからも白浜の自然を保つために、定期的な白浜巡視を継続していきます。
※現在箱根ビジターセンターは臨時休館中です。詳細についてはHPをご確認下さい。
⇒http://hakonevc.sunnyday.jp/index.html