アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
実りの季節(箱根地域)
2020年10月20日皆さん、こんにちは。
富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。
先日、箱根パークボランティアさんたちの自主研修に同行してきました。
今回は毎年箱根ビジターセンター周辺の湖尻園地で実施している「バリアフリー」観察会の研修です。この観察会は、自然は好きだけれど山に登るには体が少し不自由な方たち、まだ山に登るには体力的に難しい小さな子どもたち、その付き添いの方や保護者の方たちなど、あらゆる人たちに箱根の自然が凝縮された湖尻園地で安心して自然散策を楽しんで欲しいという想いを込めて開催しています。
今年はお客様を招いての実施はしていませんが、この機会を利用して、来年に向けた準備を入念に行いました。ガイドをするパークボランティアさんたちが、自ら車いすに乗ってお客様体験を行い、湖尻園地を回っています。新型コロナ感染症対策下でのガイドの実施方法なども検討しました。
【車いす体験を交互に行いながら、ガイド訓練】
秋らしい花も咲き始めた湖尻園地内。ですが、この日は「実」に目が行く1日でした。今年の山の実りは豊作のようです。
【上左:トチノキの実・上右:ガマズミの実】
【下左:サンショウバラの実(切ってあります)・下右:ツバキの実】
天気が曇りだったので、写真の色が少し暗いですが、晴れているとより鮮やかな色になります。
サンショウバラの実は、ハーブティーで有名な「ローズヒップ」です。ナイフで切ってみると、とてもよい素敵な香りがしました。他にもアケビの実等も観察できました。
そしてこちらはゲンノショウコ。
【左:ゲンノショウコの種がはじけた後・右:ゲンノショウコの花】
ゲンノショウコの実は、触るとサヤがはじけて種を飛ばし、不思議な形になります。植物は季節によって様々に姿を変えます。同じ植物を、四季を通して観察するのもとても面白いです。
紅葉の季節がもうすぐですが、その前に植物たちの「実」にも着目してみてください。「実」は次世代に繋がれる植物たちの命の種です。植物もしっかりと来年に向けた準備をしているようですね。