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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

西湖「クニマス」が【絶滅】から【野生絶滅】へ

2013年02月05日
富士五湖
環境省が2月1日に発表した「レッドリスト」で「クニマス」が
「絶滅」から「野生絶滅」に変更になりました。

「レッドリスト」とは“絶滅のおそれのある野生生物種のリスト”
のことです。

「野生絶滅」の定義とは、

「過去に日本に生息していたことが
確認されており、飼育・栽培下、あるいは
自然分布域の明らかな外側で野生化した状態では
存在しているが、本来の自然の生息地では
すでに絶滅したと考えられる種」の状態を指します。

「クニマス」は秋田県の田沢湖のみに
生息していた日本固有種の淡水魚です。
1940年以降、電力確保と灌漑のために
田沢湖に強酸性の玉川の水を引き入れたため
姿を消し絶滅したと考えられていました。

1991年には環境省のレッドブックで
絶滅種に指定されました。

ところが2010年に京都大学の中坊教授や
タレントで東京海洋大学客員准教授のさかなクンによって
西湖にて生息が確認され、大きなニュースにもなりました。
記憶に新しい方もいらっしゃると思います。


クニマスが発見された西湖(H25年2月5日撮影)




クニマスが発見された西湖(H25年2月5日撮影)


1930年代後半に漁業関係者が西湖や本栖湖で
卵を放流したという記録があり、
その子孫が命をつないできたようです。

以前より地元の漁師さんの網には
度々ヒメマスに似た黒っぽい魚がかかり
地元では「クロマス」と呼ばれていたそうです。
それが・・・・・・・・「クニマス」だったのです!!!!!!

昨年、山梨県水産技術センターでは
人工繁殖に成功し夏には稚魚が一般公開をされました。

また3月にはその稚魚がふるさとである田沢湖のある
仙北市で展示をされる予定です。

残念ながら田沢湖の水質は依然酸性のため
現段階ではクニマスを湖に戻す事は不可能なようですが、
いつか田沢湖でクニマスが元気に泳ぐ姿が
見られるようになるといいですね。