アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
天城山自然観察会―八丁池とブナの森を巡るコース―を開催しました!
2018年08月16日皆さま、こんにちは!沼津管理官事務所の松岡宏明です!
いきなりですが、8月11日(土)が何の日かご存知でしょうか?
この日は「山の日」という祝日で、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」日として成立した日です。以前にも記事にしましたが、沼津管理官事務所でも自然観察会を開催していました。
今回は、伊豆半島にある天城山周辺の森や八丁池をめぐるコースを、天城自然ガイドクラブという、いわゆるプロのガイドの方々に、このコースの案内をしていただきました!
東京や神奈川といった県外にお住まいの方や伊豆半島に住んでいる地元の方など36名に参加していただき、環境省のスタッフとガイドたちを合わせて総勢50人を超える大所帯で、5つの班にそれぞれガイドが二人以上つくという非常に豪華で規模の大きい観察会になりました。
△開会式の様子
ガイドの方からは道中の樹木や植物、そこに暮らす生き物たちの生態について、天城山周辺の地形や地質について、国立公園の保護地域に関する話や鹿による食害の問題(鹿が森の木の若芽や樹皮、草などを食べすぎることで森林における次世代の更新がうまく行われなくなり、結果的に山の保水力などを引き起こしてしまう問題)、なぜこの森林が重要なのかという根本的な問いなど、基本的な部分から難しいことまで優しく丁寧な言葉で説明をしていただきました。
また、参加者が実際に木と触れ合う時間も取られていて、参加者は樹皮に触れてみたり、においをかいでみたり、抱き着いてみたりされていました。その中でも人気だったのは、ヒメシャラの木で、この木の特徴として外樹皮がツルツルしていて、水が通る導管と外樹皮が近いため、人が触れると冷たく感じます。観察会当日は少し蒸し暑かったので、ヒメシャラの木に抱き着いてクールダウンしている方もいました。
△ヒメシャラと天城山における鹿による食害の説明を受ける参加者
※木幹の左下部分が鹿に食べられてしまった箇所
△抱き着いてみるとひんやり冷たいヒメシャラ
さらに、なんといってもこのコースの目玉はブナの巨樹で、中には名前をつけられるほどの名木もあり、参加者は写真を撮ったり、周囲を歩いてみたり、触ってみたりと思い思いの楽しみ方をされていました。
△天城山周辺のブナの特徴について説明を受ける参加者
朝から夕方までどっぷりと天城山周辺の自然を堪能した参加者の皆さまに少しだけ観察会後に感想を伺いました。
地元の方々にお話を伺うと、「自分が住むすぐ近くにこのような素敵な場所があるなんて実感していなかった」、「魅力の再発見につながった」と語る方もいらっしゃいました。また、県外から来られた方からは、「自然との親しみ方を学ぶいい機会になった」、「幻想的なブナ林の風景に心癒されました」という話をされている方もいて、まさしく、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」を体感する日になったのではないでしょうか。
皆さまも伊豆半島や天城山周辺にお出かけしてみてはいかがでしょうか?
沼津管理官事務所 松岡宏明(まつおか・ひろあき)