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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

東海自然歩道② ~冬の紅一点~

2012年12月18日
富士五湖
前回に引き続き「東海自然歩道」巡視の際のお話です。

先日、山中湖北側を通る「東海自然歩道」を
巡視のため歩きました。
登りはじめの石割神社駐車場からしばらくは針葉樹林でしたが、
尾根に出たあたりからは落葉樹林帯やススキの群落が
多くなります。

もうすっかり葉が落ちてしまっていますが、
そんな中、紅一点鮮やかな色を見せてくれている木が
あります。


赤い実がとても目立ちます(H24年12月10日撮影)


それが「マユミ」という植物です。


青空に映える「マユミ」(H24年12月10日撮影)


「マユミ」はニシキギ科の植物で、
ニシキギ科は世界中で約800種類、
日本には27種類あります。
(参照:「山渓ハンディ図鑑」シリーズ(山と渓谷社))


この科に属する、ニシキギ・マユミ・ツリバナなどは
実や紅葉がとても美しいので、庭木などにもよく使われます。


「マユミ」は枝が強い上とてもしなるので、
昔はこの枝から弓を作っていたことが名前の由来になっています。

実は最初堅い皮に覆われていて、
熟すと皮が割れてタネが顔を出します。
そのタネはさらに仮種皮という皮に包まれていますが、
それがこのように真っ赤な色をしています。

では、なぜ真っ赤なのでしょうか?


(H24年12月10日撮影)


それはこの色で鳥の目を引き丸ごと飲み込んで
タネを運んでもらうためだそうです。


鳥だけでなく、私たちの目も楽しませてくれる木です。


今年はすでに落葉してしまっていて、紅葉を楽しむことは
できませんでしたが、来年は是非みなさんに美しく色づいた
マユミの葉の写真をお届けしたいと思います。

5~6月にとても地味なお花を咲かせるようなので、
まずは半年後その写真を掲載します。お楽しみに。