アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
富士山のルール知っていますか?
2019年07月19日みなさま、こんにちは!! 沼津管理官事務所の山田です。
雨の日が続いていますね。梅雨明けはいつになるのでしょうか?
富士山の巡視も雲の中が多く、時おり見える青空がごほうびになっています。
今回は富士山のルールについて書きたいと思います。
富士山が国立公園だと言うことをご存じですか?世界文化遺産になったのは2013年(平成25年)ですが、富士箱根伊豆国立公園に指定されたのは1936年(昭和11年)です。80年以上前になります。
国立公園とは「次の世代にも今と同じ感動を味わい楽しむ事が出来るように、優れた自然を守り後世に伝えていくために国が指定して、保護・管理していく」ということです。
登山者が多く訪れる五合目より上はおおむね特別保護地区で、たくさんの規制の中自然が守られています。特に富士山頂は特別保護地区と言って最も厳しい規制になっています。
【 動植物の採取禁止 】
富士山は溶岩に覆われて植物が少ないイメージの方が多いと思いますが高山植物が生息しています。そんな富士山の植物や実、昆虫を採ることは出来ません。疲れた体を支える為に、落ちている木を杖代わりに使うこともやめて下さい。
※動植物を採取しなくても、写真撮影等で登山道を外れて歩くと危険ですし、生態系に悪影響を及ぼす事があるので、登山道以外は入らないようにして下さい。
△フジハタザオ
△コケモモ
【 落書き禁止 】
石、岩、建造物等への落書きは禁止です。看板にシールを貼るなどの行為も禁止です。
【 溶岩の持ち出し禁止 】
富士山にある全ての石を持ち帰ることは禁止です。むやみに石を移動させたり、ケルンのように積むことやロックアートも禁じられています。
富士宮ルートの途中の岸壁に、自然に開いた無数の穴があります。その中にたくさんの石が詰められています。取り出しますが、次に巡視に行くとまた詰まっています。こういった行為も禁止ですので、ご協力お願いいたします。
△岸壁の穴に詰められた石
【 動物の放し飼い禁止 】
特別保護地区内で動物を放すことは禁止されています。富士山の登山道は溶岩とスコリア(ごつごつした細かい石)が多くペットの足にダメージを与える可能性がありますのでご遠慮下さい。
△溶岩とスコリア
【 テントの設営、たき火の禁止 】
富士山にはテントサイトがありませんので、ご宿泊は山小屋にお願いします。(※要予約)たき火は禁止です。バーナー等は、山小屋付近や人が集まる場所、ゴミの近くを避け、周囲に注意して使って下さい。
登頂記念に、山頂に持ってきた物を置いたり立てたりすることも出来ません。法律で禁止されていないことでも、ゴミは捨てない、軽装登山・夜間登山はしないなどマナー守って登山を楽しんで下さい。あるものは持って帰らず、ないものは置いていかないです。
美しい富士山を守るためのご協力お願いいたします!!
下記のリンクに富士山に関する最新詳細が載っていますので、これから富士登山を計画されている方も、観光で来られる方も参考にして下さい。
▼ 富士登山オフィシャルサイト