アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
暗い林床に奇妙な果実(伊豆諸島地域)
2022年09月06日
伊豆諸島
こんにちは。鳥と花が好きな小野可蓮です。
しかし最近では「蛾(ガ)」にも夢中。
人気者なのは蝶(チョウ)の方ですが、実は蛾(ガ)の方がずっと多種多様です(日本の場合、6000種ほどいるチョウ目・ガ目の内、たったの250種ほどがチョウ類、残り全てガ類)。
そう考えると、チョウよりもうんと、植物の花粉媒介に貢献しているということでは、、、?
植物を見る機会が増えると、自然と虫も視野に入るようになって、一気に世界が広がり、得している気分になります。
さて、森の中を歩いていると、思いも寄らぬ何かに遭遇。
みなさんもよくあることではないでしょうか?
花だったり、虫だったり、実だったり。
今回は、今の時期にしか見られない、奇妙なものを紹介します。
カニのように赤く、多少沿り返っていて、少ししなびたような、、、
バナナ?
指?
ソーセージ?
しかし最近では「蛾(ガ)」にも夢中。
人気者なのは蝶(チョウ)の方ですが、実は蛾(ガ)の方がずっと多種多様です(日本の場合、6000種ほどいるチョウ目・ガ目の内、たったの250種ほどがチョウ類、残り全てガ類)。
そう考えると、チョウよりもうんと、植物の花粉媒介に貢献しているということでは、、、?
植物を見る機会が増えると、自然と虫も視野に入るようになって、一気に世界が広がり、得している気分になります。
さて、森の中を歩いていると、思いも寄らぬ何かに遭遇。
みなさんもよくあることではないでしょうか?
花だったり、虫だったり、実だったり。
今回は、今の時期にしか見られない、奇妙なものを紹介します。
カニのように赤く、多少沿り返っていて、少ししなびたような、、、
バナナ?
指?
ソーセージ?
わたしはソーセージより、バナナに見えました。
実はこの物体、ラン科植物である「ツチアケビ(Cyrtosia septentrionalis)」の果実なんです!
大島では、夏から秋にかけて実の付いたものが林床に生えています。
ただ普段見掛けるような植物とは、大分見た目が違いますよね。
例えば、茎に付いているのは果実だけで、葉がどこにも見当たりません。
花の時期さえも葉がないのです。
そして葉がなければ、もちろん芽を出すこともありません。
でも植物は光合成をしなければ生きていけない、、、
なんて思っていませんか?
実はこの物体、ラン科植物である「ツチアケビ(Cyrtosia septentrionalis)」の果実なんです!
大島では、夏から秋にかけて実の付いたものが林床に生えています。
ただ普段見掛けるような植物とは、大分見た目が違いますよね。
例えば、茎に付いているのは果実だけで、葉がどこにも見当たりません。
花の時期さえも葉がないのです。
そして葉がなければ、もちろん芽を出すこともありません。
でも植物は光合成をしなければ生きていけない、、、
なんて思っていませんか?
大半の植物は光合成などを通して栄養分を得ています。
そのような植物は「光合成独立栄養生物」と言います。
しかし、光合成以外でも栄養分を手に入れられる方法があるなら、もちろん光合成なしでもちゃんと生きていけるのです。
このツチアケビが良い例です。
ツチアケビは「菌従属栄養植物」。
前回紹介した、栄養を供給し合うオオシマツツジと菌根菌の関係とは異なり、完璧に菌に寄生して一方的に栄養を奪っています。
根の部分で菌から栄養を直接吸収しているそうです。
こうすることで、他の植物が生育できないような日光の少ない場所でも生育できるようになったと考えられます。
菌従属栄養植物の中でも、背や実が大きいとされているツチアケビ。
そもそも目立つ果実をつけるラン科の植物自体が希です。
なにか、実を付けるようになった理由があるのではないでしょうか、、、?
そのような植物は「光合成独立栄養生物」と言います。
しかし、光合成以外でも栄養分を手に入れられる方法があるなら、もちろん光合成なしでもちゃんと生きていけるのです。
このツチアケビが良い例です。
ツチアケビは「菌従属栄養植物」。
前回紹介した、栄養を供給し合うオオシマツツジと菌根菌の関係とは異なり、完璧に菌に寄生して一方的に栄養を奪っています。
根の部分で菌から栄養を直接吸収しているそうです。
こうすることで、他の植物が生育できないような日光の少ない場所でも生育できるようになったと考えられます。
菌従属栄養植物の中でも、背や実が大きいとされているツチアケビ。
そもそも目立つ果実をつけるラン科の植物自体が希です。
なにか、実を付けるようになった理由があるのではないでしょうか、、、?
そうです、種を他の生き物、「鳥」(など)に運んでもらうためなんだそうです!
普通ラン科の植物は、埃のような種を風で飛ばしています。
ただ森の奥ではあまり強い風は期待できませんよね。
そこで、ツチアケビは鳥に見つけてもらいやすいよう、様々な適応をしてきました。
目立つよう背丈を大きくしたり、小鳥が留まれるくらいには茎を強くしたり、その上液果を発達させ真っ赤な色になったのです。
鳥に食べてもらうことで、より遠くまで種子を運んでもらえます。
そうやって分布を広げていったことが想像できます。
植物もすごい、鳥もすごい。そしてなにより植物と鳥の進化は本当にすごい!ですね。
写真を撮れば良かったのですが、落ちていた果実を試しに一つ割ってみたところ、つぶつぶの小さな種が詰まっていました。
匂いを嗅いでみると、、、なんともいえない香り。
ちょっとくさいかも?
でも鳥には美味しく感じる+栄養があるのでしょうか。
普通ラン科の植物は、埃のような種を風で飛ばしています。
ただ森の奥ではあまり強い風は期待できませんよね。
そこで、ツチアケビは鳥に見つけてもらいやすいよう、様々な適応をしてきました。
目立つよう背丈を大きくしたり、小鳥が留まれるくらいには茎を強くしたり、その上液果を発達させ真っ赤な色になったのです。
鳥に食べてもらうことで、より遠くまで種子を運んでもらえます。
そうやって分布を広げていったことが想像できます。
植物もすごい、鳥もすごい。そしてなにより植物と鳥の進化は本当にすごい!ですね。
写真を撮れば良かったのですが、落ちていた果実を試しに一つ割ってみたところ、つぶつぶの小さな種が詰まっていました。
匂いを嗅いでみると、、、なんともいえない香り。
ちょっとくさいかも?
でも鳥には美味しく感じる+栄養があるのでしょうか。
多くのラン科植物同様、ツチアケビも最近では減少傾向にあるようで、一部の地域では絶滅危惧種として扱われています。
おそらく菌に依存していることもあり、森林の変化などに対して敏感(脆弱)なのかもしれません。
大島でも、中々普段見られるものではないです。
ツチアケビのように希少な生き物はたくさん存在します。
守るとは、まず知ることから始まるのです。
みなさまも自分にとっての新しい何かと出会うために、たまには自然の中をあちこち出掛けてみてください。
おそらく菌に依存していることもあり、森林の変化などに対して敏感(脆弱)なのかもしれません。
大島でも、中々普段見られるものではないです。
ツチアケビのように希少な生き物はたくさん存在します。
守るとは、まず知ることから始まるのです。
みなさまも自分にとっての新しい何かと出会うために、たまには自然の中をあちこち出掛けてみてください。