アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
泉津海岸遊歩道 大島(伊豆諸島地域)
2019年11月12日こんにちは。伊豆諸島管理官事務所の竹下です。
だんだんと気温が下がり、風が吹くと寒く感じるようになってきました。
さて、先週は「泉津海岸遊歩道」の巡視に行ってきました。
泉津海岸遊歩道は、大島の東に位置する泉津集落の二本松~行者トンネルまで、海岸沿いに続く5.5kmのコースです。今回は、二本松~行者トンネルの間にある東京都立大島公園からスタートし、泉津集落までの約2時間半~3時間程の道のりを歩きました。波の音を聴きながら歩く気持ちの良い道で、天気の良い日は海の向こうに房総半島を眺めることができます。
▲今回のコース
東京都大島支庁ホームページ_東京都立大島公園ハイキングコースマップより引用・改変
http://www.soumu.metro.tokyo.jp/11osima/park/www/htdocs/nature/hiking.html
今回コースのスタート地点、大島公園までは元町港から車で約30分、あるいは岡田港・元町港から出ている路線バスで行くことができます。
大島公園入口付近にある椿資料館の脇から公園内の散策路に入り、「海岸遊歩道」の道標に沿って進むと、5分ほどで海岸遊歩道に突き当たります。
▲大島公園バス停。ツバキの花がモチーフになっている。
▲泉津海岸遊歩道へ続く、大島公園内の散策路。
▲園内の散策路で見つけたテンナンショウの仲間。茎の紫、葉の緑、実のオレンジが綺麗。
海岸遊歩道に出てからしばらくは、海岸の内陸側に生育するヒメユズリハやヤブツバキなどの高木林の中を歩きます。林の梢には、ヒメユズリハの黒い実か、そこに付いている虫を食べに、シチトウメジロやカラ類の群れがやってきていました。賑やかに鳴きながら餌をついばんでは通り過ぎて行く群れを道ばたにしゃがんでゆっくり観察できました。
▲ヒメユズリハの実を食べにきたシチトウメジロ
群れが通り過ぎた後、静かになった梢をふと見上げると、二羽のシチトウメジロが枝の上に残って、静かに寄り添っているのを見つけました。互いに羽繕いをしている姿が可愛らしく、幸せな気持ちになりました。
海岸遊歩道の全般を通して、メジロやカラ類の群れには頻繁に遭遇しました。双眼鏡やカメラを持って、小鳥の観察を楽しみながら歩くのも良さそうです。
▲ヒメユズリハの枝にとまるシチトウメジロ
林を抜けると、急に波の音が近くに聞こえ、歩道が海に近づきます。海沿いの歩道からは、透き通る海、水平線、遠くに見える房総半島など、すばらしい眺望を楽しむことができます。
▲水平線の見える休憩ポイント
▲海岸遊歩道からの景色
海岸遊歩道の笠松周辺では、貴重な海浜植生群落が残されていて、国の天然記念物にも指定されています。ここでは、林床を覆うオオシマハイネズの見事な群落や、イソギク、ツワブキなどの海岸植物を観察することができます。 海岸遊歩道は、海に近づいたり林の中に入ったり、海岸沿いの複雑な地形の上を、アップダウンを繰り返しながら続いていきます。
▲オオシマハイネズ(左)とイソギク(右)。イソギクはまだ開花していなかった。
▲ツワブキの花
終点付近の潮吹き崎では、泉津漁港の長閑な景色と富士山の姿を眺めることができます。
これから冬にかけて、イソギクやツワブキの開花シーズンが続きます。また、気温が低くて空気の澄んだ日が増えて、伊豆半島や房総半島、富士山がよく見えるようになってきました。泉津海岸遊歩道を楽しむにはちょうど良い季節ですので、みなさんもぜひ、歩きにきてください。
▲泉津漁港と富士山。潮吹き崎からの景色。
【コースマップ】
東京都大島支庁ホームページ_都立大島公園ハイキングコースマップ
http://www.soumu.metro.tokyo.jp/11osima/park/www/htdocs/parkindex.html
伊豆大島ナビ_大島公園海岸遊歩道
https://www.oshima-navi.com/senzu/coastal_promenade.html
【アクセス情報】
大島バス
http://oshima-bus.com/rosen-bus.html
東海汽船