アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
富士登山に向けた体力作りにオススメな登山コースをご紹介!富士山眺めながら体力づくり(三方分山編)
2023年06月29日
富士五湖
こんにちは。富士五湖管理官事務所の半田です。
さて、皆さんの中には今年 富士山にチャレンジしようと思っている方はいますか? 登山経験が無く人生初の富士登山を友達と挑む若者のあなた。逆に若い時は随分とあちこちの山に登ったけれど、最近はさっぱり登ってなく、久し振りに昔の山友と富士山に登ろうと言うシニアのあなた。でもちょっと待って! 富士登山に向けての体力づくりはしていますか?
富士登山に向けた体力づくりは、アスリートのような筋力を付けようとする訳ではなく、肺活量を鍛え、一日歩き続ける持久力を養うためにするものです。「富士登山に向けてどこか山登りをしましたか?」と質問すると「人生初の登山で、この間、東京の高尾山に登りました」なんて答えが返って来ることがありますが、富士山は日本最高峰の山。ぜひ今のうちから身近な山を手始めに山登りをたくさんして、富士山を楽しく登れるしっかりした体力を付けましょう!
また、今年は大勢の登山者が訪れることから、山小屋の予約が取れず、今年の富士登山を見送ったという方々もいるかと思います。ぜひ富士山周辺の山々を登って富士山を望む絶景を楽しみながら、来たる富士登山に向けてカラダづくりをしていきましょう!
さて、皆さんの中には今年 富士山にチャレンジしようと思っている方はいますか? 登山経験が無く人生初の富士登山を友達と挑む若者のあなた。逆に若い時は随分とあちこちの山に登ったけれど、最近はさっぱり登ってなく、久し振りに昔の山友と富士山に登ろうと言うシニアのあなた。でもちょっと待って! 富士登山に向けての体力づくりはしていますか?
富士登山に向けた体力づくりは、アスリートのような筋力を付けようとする訳ではなく、肺活量を鍛え、一日歩き続ける持久力を養うためにするものです。「富士登山に向けてどこか山登りをしましたか?」と質問すると「人生初の登山で、この間、東京の高尾山に登りました」なんて答えが返って来ることがありますが、富士山は日本最高峰の山。ぜひ今のうちから身近な山を手始めに山登りをたくさんして、富士山を楽しく登れるしっかりした体力を付けましょう!
また、今年は大勢の登山者が訪れることから、山小屋の予約が取れず、今年の富士登山を見送ったという方々もいるかと思います。ぜひ富士山周辺の山々を登って富士山を望む絶景を楽しみながら、来たる富士登山に向けてカラダづくりをしていきましょう!
三方分山~精進パノラマ台
そんな中で、富士山を眺めながら体力づくりができる山として山梨よりご紹介したいのは、御坂山塊、精進湖付近にある三方分山と精進パノラマ台です。歩く距離 約7km 累積標高差2,840m 標準コースタイム4時間10分(休憩時間含まず) と体力作りにはもってこいの山です。何よりも素晴らしいのは、三方分山近くの展望スポットと精進パノラマ台から眺める富士山の眺望です。
写真は少し前の4月中旬の巡視の際に撮ったものですが、コースの魅力を少しだけご紹介しましょう。
写真は少し前の4月中旬の巡視の際に撮ったものですが、コースの魅力を少しだけご紹介しましょう。
精進の巨木のある神社よりスタート
まずスタートは精進湖北岸にある諏訪神社から。車でアプローチの場合、神社の駐車スペースは数台分なので、ゴール地点の他手合浜の県営駐車場の方に駐車してそこから歩いた方が良いかも知れません。バスでアプローチの場合は「精進」バス停で下車して水路沿いに進むと左手に諏訪神社があります。
精進諏訪神社には、国指定天然記念物の「精進の大杉」と富士河口湖町指定天然記念物の「諏訪神社の大杉」があります。2本の巨木にパワーをもらいつつ、一日の安全登山を神社に祈念して出発しましょう。
水路に沿いながら集落を上がって行くと、やがて堰堤が現われて登山道となります。沢を何度か渡り右手の尾根を登って行くと馬頭観音や昔の石塁などを目にします。ここは中道往還で駿河国と甲斐甲府を交易で繋ぐ峠道。歴史の山道に想いを馳せながら、標高を上げて行きます。この道はヒトリシズカやトリカブト、アセビなど季節の植物を楽しむこともできるので、楽しく登れると思います。
水路に沿いながら集落を上がって行くと、やがて堰堤が現われて登山道となります。沢を何度か渡り右手の尾根を登って行くと馬頭観音や昔の石塁などを目にします。ここは中道往還で駿河国と甲斐甲府を交易で繋ぐ峠道。歴史の山道に想いを馳せながら、標高を上げて行きます。この道はヒトリシズカやトリカブト、アセビなど季節の植物を楽しむこともできるので、楽しく登れると思います。
神社を出発して約1時間程で阿難坂峠(別名: 女坂峠)に辿り着きます。
阿難坂峠の「難」という字が示す通り、中道往還の中でも難所とされ、昔、身重の女性が道中で出産後、母子ともに亡くなり、供養のために子を抱いた石地蔵を建てられ、その石地蔵が「女石」と名付けられたことから、別名の「女坂」と呼ばれるようになったと伝えられています。悲しい出来事があったのですね。
阿難坂峠の「難」という字が示す通り、中道往還の中でも難所とされ、昔、身重の女性が道中で出産後、母子ともに亡くなり、供養のために子を抱いた石地蔵を建てられ、その石地蔵が「女石」と名付けられたことから、別名の「女坂」と呼ばれるようになったと伝えられています。悲しい出来事があったのですね。
三方分山の頂へ、そして富士の絶景を望む
阿難坂峠からは進路を西に変え、御坂山塊の稜線沿いに進みます。途中、稜線の北側が崩壊してロープが張られた箇所がありますが、端に近寄り過ぎないよう慎重に通過します。段々と高度を上げて行くので、ペースを一定に保ち息を整えながら歩を進めて行きましょう。阿難坂峠から40~50分ほどで三方分山に到着します。
三方分山とは三つの旧村、古関、八坂、精進 (現在は甲府市、身延町、富士河口湖町) の境界となっていたことが名前の由来です。
三方分山とは三つの旧村、古関、八坂、精進 (現在は甲府市、身延町、富士河口湖町) の境界となっていたことが名前の由来です。
山頂からの眺望は富士山方向のみですが、三方分山山頂から30~40分ほど先に進んだ、精進山と精進峠の間にある展望スポットへ行くと精進湖越しに青木ヶ原樹海、大室山と富士山という絶景を望むことができます。ただ、この展望スポットはあまり広くはありません。他の登山者がいる際には、お互いに譲り合って気持ち良く眺望を楽しんで下さい。もしグループでランチを取りたいという方は、三方分山山頂で先にランチを済ませてから展望スポットに向かった方が良いでしょう。
パノラマ台を目指す
展望スポットを過ぎてからは稜線沿いに精進峠、根子峠と二つの峠を越えて行きます。アップダウンの道が約1時間半続くので、疲れが溜まりがちですが、野鳥たちの囀りや可愛い姿に心を癒やされながら楽しく進みましょう。
根子峠を過ぎたら、あとひと息。中ノ倉峠への道との分岐を越えて木々に囲まれた回廊を抜けると精進パノラマ台に到着します。パノラマ台は見晴らしが良く正面の富士山はもちろんのこと、両サイドの本栖湖・精進湖も見渡せて本当に気持ちが良いです。他手合浜と共に「富士山がある風景100選」に選定されています。スペースも広いのでここでゆっくり休みましょう。今回登った三方分山をはじめ、御坂山塊の山並みもよく見えますし、次の機会にどこに登るかを考えるのも良いかも知れません。しっかり足腰と肺を鍛えて、安全・安心に目標である富士登山を楽しみたいですものね。
精進湖 他手合浜へ下山
パノラマ台からは烏帽子岳を経て本栖湖方面に下山する方法と、根子峠まで戻り、精進湖畔 他手合浜(たてごうはま)に下山する方法とありますが、ここでは精進湖方面に下山するコースをご紹介します。
来た道を根子峠まで引き返すと分岐があり、右側に精進湖へ下ることが出来ます。途中、ガレ場をトラバースする木製橋を2つ渡り、根子峠から40分ほど下って行くと精進湖畔に降り立ち、道路を数分歩くと他手合浜に辿り着きます。他手合浜からは精進湖越しに大室山を我が子のように抱く富士山の姿「子抱富士」を望むことができます。天気が良く眺望に恵まれれば、山の疲れも吹き飛び、次の登山へのワクワク感がこみ上げて来ることでしょう。
帰りは富士五湖周辺で温泉に入ったり、美味しいものを食べたりして富士北麓を満喫して家路について下さい。
来た道を根子峠まで引き返すと分岐があり、右側に精進湖へ下ることが出来ます。途中、ガレ場をトラバースする木製橋を2つ渡り、根子峠から40分ほど下って行くと精進湖畔に降り立ち、道路を数分歩くと他手合浜に辿り着きます。他手合浜からは精進湖越しに大室山を我が子のように抱く富士山の姿「子抱富士」を望むことができます。天気が良く眺望に恵まれれば、山の疲れも吹き飛び、次の登山へのワクワク感がこみ上げて来ることでしょう。
帰りは富士五湖周辺で温泉に入ったり、美味しいものを食べたりして富士北麓を満喫して家路について下さい。
どうでしたか? ご紹介した三方分山~精進パノラマ台の他にも富士山周辺には、富士山を眺めながら体力づくりができる素敵な山がたくさんあります。こういった山は一つ登れば十分ということはありません。ぜひ、ご自宅の近くの山も含めていっぱい山歩きをして、山に慣れたカラダづくりをして下さい。たくさん登ってカラダも山での経験値もアップすれば、その分、富士登山の際にも余裕ができ、より登山を楽しむことができますヨ。
関連情報サイトのお知らせ
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※当投稿は 2023年6月16日 に「富士登山オフィシャルサイト」の「富士山日記」に寄稿したものです。
「富士登山オフィシャルサイト」環境省・山梨県・静岡県が共同で運営する富士登山に関する公式サイトです。
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