アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
姥子を歩こう
2021年10月20日AR日記をご覧の皆さま、こんにちは。
箱根の高木です。
最近は繁殖期のシカの鳴き声を耳にすることが増えました。
どうやら、箱根事務所近くの仙石原などの地域から聞こえるようです。
さて、夏の間は富士山のことばかりでしたが、今回は箱根の姥子という地域を紹介したいと思います。
姥子(うばこ)は、当事務所の北側にあり、箱根ロープウェイ「姥子駅」や姥子温泉があるエリアとして知られています。
箱根の温泉と言えば、江戸時代初期から知られていた「箱根七湯」が有名です。姥子温泉も同時期からあったようですが、主要な街道から大きく外れていて訪れる人が少なく、そのためあまり親しまれることがなく、七湯には選ばれなかったようです。
▲周辺概略図(ピンクのエリアが姥子地域)
簡単ながら上の図のように姥子周辺の地図を作成してみました。
緑の線は、ハイキングコース(県の自然探勝歩道になっています)となっており、自然散策を楽しむことも出来ます。
※芦ノ湖から姥子までは通行可能ですが、姥子から大涌谷は火山活動の影響で通行不可となっています
コースは緑に包まれた日陰の道ですので、夏でも強烈な直射日光に見舞われることはありません。今の時期も涼しくてオススメです。
▲姥子付近のコース
ただし、坂道で石が滑りやすくゴツゴツしているため、足をひねったり転んでケガをしたりしてしまう可能性がありますので、サンダルや底の薄いシューズ等は避けましょう。
また、姥子駅周辺まで来ると富士山が見えることがあります。
▲箱根ロープウェイ姥子駅周辺からの富士山(10月11日撮影)
ちょうど駅舎の間から富士山が見えていますね。
姥子駅周辺は、「富士山がある風景100選」にも選定されています。箱根の他にも色々な地域から選ばれていますので、詳しくはこちらからご覧下さい。
富士箱根伊豆国立公園「富士山がある風景100選」http://www.env.go.jp/park/fujihakone/topics/100.html
また、すぐ近くには船見岩という小高くなっているポイントがあり、こちらからは大涌谷を望むことも出来ます。
▲箱根ロープウェイ ▲船見岩からの大涌谷眺望
噴煙の状況や大涌谷駅に向かうロープウェイの様子が楽しめます。
大涌谷の方を見ると、手前には緑が広がっているのですが奥側噴煙の近くは木々が茶色く見えます。火山性ガスの影響で枯れていて、景観に独特の変化を与えてくれています。
また今の時期、周辺の植物はリンドウやヤマラッキョウなどを観察することが出来ますので、足下にも目を向けてみるのも楽しいです。
なお、大涌谷の様子は以下のリンクから画像で確認することが出来ます。
インターネット自然研究所「箱根・大涌谷」https://www.sizenken.biodic.go.jp/view_new.php?no=48
さて今回、姥子を歩くうちに「派手ではないものの、ゆっくりと自然散策や大涌谷などを楽しめる良いところ」という印象を持つようになりました。
また、地名について調べてみると「金太郎の眼の病気を山姥が温泉で治した場所」という金太郎伝説からついたものということがわかりました。
普段と違った目線でその土地について理解を深めてみることも新鮮ですので、是非皆さんも試してみて下さい。