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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

第14回放鳥終了

2016年06月21日
佐渡 相原夏帆

 佐渡は田植えも一段落し、新緑のまぶしい季節となりました。

<水田にて休息するウミネコ>

 野生のトキは、繁殖が終わったペアが群れに合流しています。冬は2~3羽で探餌している様子がよく見られましたが、ここ最近は10羽近くの群れで餌を探す様子が見られるようになり、季節の変化を実感しています。

 6月10日から4日間をかけて、第14回放鳥が行われました。トキの放鳥は2008年に始まり、毎年春と秋の2回行っています。今回は合計18羽のトキが放鳥されました。

 放鳥されるトキは、観察時に遠くからでも識別できるよう、特別にアニマルマーカー(動物専用の染料)を使用して着色されています。この着色された羽は、一年ほどで生え替わります。

<上空を旋回するNo.255>

 今回の放鳥では、1日目に18羽中15羽が飛び立ち、残りの3羽は4日目に飛び立ちました。4日目は3羽まとまってドジョウを食べ、満腹になったところで野外へと飛んで行きました。

 放鳥されたトキは、その後地上に降りて探餌している様子や、ねぐらで休んでいる様子などが確認されました。うまく馴染めたようで一安心です。

 今年は野生下で生まれたトキ同士のペアからヒナが誕生し、無事巣立ちました。野生下のトキの生存個体数は160羽を超え、トキの定着・野生復帰に向けて新たな節目を迎えています。

 今回放鳥されたトキが繁殖に参加し、元気なヒナを見せてくれることを期待しています。