アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
放鳥トキ、本州に飛来!
2016年10月21日 皆様、こんにちは。
<10月1日 佐渡市外海府の枯木にとまるNo.247>
佐渡では、稲刈りも終盤を迎え、山々は紅葉で色づき始めています。
さて、先月9月23日~24日にかけて、第15回目となるトキの放鳥が佐渡で行われました。オス5羽、メス14羽の計19羽が飛び立ちましたが、このうちの2羽が、佐渡から海を渡った新潟県弥彦村と長岡市でそれぞれ確認されました。
10月10日、新潟県弥彦村で2014年生まれのメスのトキ(個体番号269)が、
<9月23日 放鳥直後の269>
10月13日、新潟県長岡市で2015年生まれのメスのトキ(個体番号276)が確認されました。
<9月23日 放鳥直後の276>
放鳥当日、この2羽が野生下へと飛び立って行く様子を観察していた私にとって、本州での確認は嬉しいニュースでした。
放鳥直後のトキたちは、新しい環境に適応するため、早朝から長時間飛び回ります。どこが安全なねぐらなのか、どこが良い餌場なのか、あちこち飛び回って一生懸命情報を収集します。飛び疲れて止まりたくても安心して休める止まり木がどこにあるのか分かりません。分からないことだらけの新しい「野外」という環境は、運が悪ければ天敵に襲われてしまう場所でもあります。放鳥直後から一度も確認されないトキや放鳥数日後に死体で確認されるトキもいます。
順化ケージという守られた環境とは異なる厳しい野生下で、環境に適応し逞しく生きる新規放鳥トキたちを確認できた時は本当にホッとします。
No.269、No.276、よく生きていてくれた!10月20日現在も本州で確認されているこの2羽。今後も継続して観察されることを願っています。
来年は、本州でのトキたちの繁殖にも期待できるかな...?
<2016年生まれの幼鳥。佐渡にて。>
① トキに近づかず、やさしく静かに見守りましょう。
② 地域に迷惑をかけないようにしましょう。農地へ無断で入らないようにしましょう。
③ 車から降りずに観察しましょう。
④ 大きな音や光を出さないようにしましょう。
⑤ 繁殖期間(2月~6月)は、巣に近づかないようにしましょう。