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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

洋洋・旅に出る

2024年09月22日
佐渡 右田京子
皆さん、こんにちは。
佐渡自然保護官事務所の右田です。

前回の日記で「トキの洋洋 回顧展」について書きましたが、今回はその続報です。
トキの森公園に続き、9月20日から新潟県立自然科学館にて、「洋洋」を展示していただけることになりました。
展示開始前日、「洋洋」の移送を行いましたので、その様子をお伝えします。

旅立ち

普段「洋洋」は、佐渡自然保護官事務所の玄関で職員やお客様をお出迎えしています。
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▲事務所の玄関に飾られている洋洋
「洋洋」の剥製と骨格標本は、土台にしっかり固定され、ケースの中に入れていますが、くちばしが長いせいか、少しの振動でも首元から頭部が揺れてしまいます。
日本のトキの重要な標本であり、とても繊細な「洋洋」を慎重に丁寧に、車で新潟まで移送しました。
佐渡の港へ向かう途中、田んぼに降り立つ野生のトキを見つけ、思わず洋洋に『見える?子供達だよ!』と話しかけてしまいました。
カーフェリーに乗って、出発です。
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▲両津港に到着した移送車
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▲佐渡汽船に乗り込む移送車

本州上陸

新潟県立自然科学館に到着です。
ついに本州上陸!実に25年ぶりに「洋洋」が佐渡を離れました。
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▲科学館に到着した洋洋
自然科学館では入口そばに特設ステージを用意して下さいました。
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▲科学館での設営の様子  
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▲お披露目を待つ洋洋
新潟県立自然科学館での「トキの洋洋 回顧展」は、9月20日(金)から10月31日(木)までです。
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▲回顧展ポスター
本州にお住まいの皆さん、今回は陸続きで行きやすいかと思いますので、足をお運びいただけたら幸いです。

これから

 これまで繁殖などで、日本のトキの野生復帰のために尽力してくれた洋洋。そして、洋洋のおかげで、佐渡ではトキが日常の風景の一部となりました。
 次は本州の番です。現在、トキ野生復帰事業は本州へと取り組みを広げようとしています。
 「洋洋」も次のステージへ。これからはトキ野生復帰事業の伝道師として、普及啓発の場でますます活躍してくれるはずです。「洋洋」の展示が、トキのこと、環境のこと、トキ野生復帰事業のことなどを多くの人に知ってもらうきっかけになったらうれしいです。
 そして、トキ野生復帰事業の取組の輪が広がって、近い将来、本州でもトキの羽ばたきが見られますように。