トキの洋洋 回顧展

トキの洋洋回顧展

2024年07月23日

佐渡右田京子

皆さん、こんにちは。
佐渡自然保護官事務所の右田です。

佐渡の田んぼでは、今年巣立った幼鳥が見られるようになってきました。
餌を採ろうと奮闘している姿やぎこちない飛び方が可愛らしく、思わずクスッと笑みがこぼれてしまいます。

この夏、トキの森公園へ行こう！

さて、皆さんに、この夏のおすすめスポットの紹介です。
それは、佐渡観光の定番ですが、トキの森公園のトキ資料展示館です。
冷房完備で涼しいからだけではありません。「トキの洋洋回顧展」を開催しているからです。この回顧展では、貴重な「洋洋」のはく製と骨格標本をご覧になることができます。

「洋洋」が遺してくれたもの

みなさんトキの「洋洋」のことをご存じでしょうか？
「洋洋」と書いて「ヤンヤン」と読みます。
25年前、ペアの雄「友友（ヨウヨウ）」と一緒に中国から日本にやってきました。

日本で初めてトキの人工繁殖に成功したのが、この「洋洋」と「友友」です。
なんと、日本の野生に生息する全てのトキは洋洋の子孫にあたります！冒頭に紹介した２羽の幼鳥も例外ではありません。
この2羽がいたからこそ、現在、500羽を超えるトキが野生下に甦ることができたのです。

昨年11月に「洋洋」は、惜しまれながらこの世を去りました。今回は、その洋洋へ感謝の意を込め、回顧展を開催しています。

この回顧展のために、昔の資料や古い写真を掘り起こし、これまでの洋洋の軌跡をポスターにまとめました。ポスターから洋洋の偉大さが伝わるのではないかと思います。

トキ資料展示館には、他にも日本産最後のトキ「キン」や、野生絶滅前に保護のため一斉捕獲した5羽の中で唯一の雄トキ「ミドリ」のはく製もあります。
日本でのトキ野生復帰の歴史に深く刻まれた貴重な３羽を間近に見ることができるまたとない機会です。

この夏、トキ界のレジェンドに会いに、ぜひ佐渡まで遊びに来て下さい！！

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]