アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
2015年1月佐渡でのトキの様子
2015年01月23日
佐渡
皆様、こんにちは。
佐渡島内のトキたちは繁殖に向けて羽根の着色が進んでいます。
この着色した羽根は「生殖羽」と呼ばれ、トキが繁殖可能な状態であることを表します。トキは繁殖期が近づくと首のあたりの黒い皮膚が厚くなり、粉状になってはがれ落ちます。これを水浴びの後にこすりつけることにより、頭から背中にかけて羽根の色が黒く変化します。これは巣で卵を抱く際の保護色の役目も果たすと考えられています。
(黒く着色したトキが顔を出しています。)
トキの行動にも変化があらわれています。最近のモニタリング業務中には、枝渡し、相互羽繕い、擬交尾といった求愛行動が観察されています。攻撃にも使う相手の嘴を受け止め羽繕いを許すことは、仲の良さの表れです。
(求愛行動の一つの擬交尾)
現在佐渡島内には137羽のトキが生存しています。2012年に野生下で36年ぶりに雛が誕生し、昨年にかけて3年連続で繁殖に成功しています。2015年も多くの雛が巣立ち佐渡の空を舞う姿が見られることを願いながら、私たちは日々モニタリング業務に取り組んでいます。
皆様、どうぞ本年もよろしくお願いいたします。