アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
早く帰ってきてよー!
2019年05月17日
佐渡
皆さま初めまして。
4月1日より佐渡自然保護官事務所のアクティブ・レンジャーに着任しました菅野萌です。
魅力いっぱいの佐渡やトキの事などを発信していきたいと思います。よろしくお願いいたします。
今、佐渡ではトキたちの繁殖期真っ只中です。
今年も無事に野生下のトキのペアからヒナが誕生しました。
(巣内の親とヒナ:5月8日撮影
※横枝のすぐ下に親鳥の顔があります。中央の白っぽいかたまりがヒナです。)
佐渡自然保護官事務所では、アクティブ・レンジャーの業務として野生下のトキのモニタリング調査を行っており、地域のボランティアさんなどと協力してトキの行動を観察します。
今は繁殖期なので、トキが巣で卵を抱いているかどうか、ヒナがいるかどうかなどを調査して回っています。
トキはオスとメスとで交代しながら卵を温めるので、通常はどちらかが巣にいるはずなのです。
(抱卵を交代するペア:4月24日撮影)
「今日もきちんと卵を抱いているな」と、遠くから観察していると、時々そのトキが大きな声で「タアーオ!!」と鳴くときがあります。
どうやら、なかなか自分のつがい相手が帰ってきてくれないようなのです。
いくらお腹が空いていても、大事な卵があるのでつがい相手が帰ってきてくれるまで巣を離れるわけにはいきません。
「どこ行っているのよ-!早く帰ってきてよ-!!」と呼びかけているのでしょうか。
抱卵は空腹との闘いなのかもしれませんね。
トキの子育てシーズンはまだまだ続きます。
この先も無事に野生下のヒナが孵ってくれることを願うばかりです。