アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
第23回放鳥が行われました!
2020年10月02日
佐渡
皆さんこんにちは。
佐渡自然保護官事務所の菅野です。
朝晩は冷え込むようになり、すっかり秋らしい気候になりました。
勤務を終了してから自宅に帰る頃には辺りが暗くなってきており、どんどん日が短くなっていることを実感します。
佐渡の田んぼでも稲刈りが次々と始まり、餌が採りやすい刈田にトキがたくさん舞い降りるようになっています。
さて、そんな中、第23回放鳥が9月18日と9月24日に行われました。
今回も昨年の秋放鳥と同様にハードリリース方式とソフトリリース方式の2通りで放鳥を行いました。
【ハードリリース方式:9月18日】
ハードリリース方式とは、順化訓練後のトキを放鳥場所に移動させてからすぐに放鳥する方法です。
▲今回の放鳥場所の生椿
今回は島内の生椿(はえつばき)という山間部の棚田で行いました。この場所は日本産のトキが野生絶滅する前から、故髙野高治氏がトキのためにエサ場を整備してきた場所であり、現在もご子息の髙野毅氏が中心になってエサ場整備の取組を続けています。
▲放鳥されるトキ(個体識別用に羽に色が塗られています)
当日は髙野高治氏の写真も掲げられ、生椿の自然を守る活動に携わってきた方々が見守るなか、無事に9羽のトキが放鳥されました。
【ソフトリリース方式:9月24日】
ソフトリリース方式では、トキが約3か月間過ごした順化ケージの放鳥口を開き、直接トキが野外に出て行くのを待ちます。朝6時に順化ケージの放鳥口を開き、当日の13時過ぎに全7羽が無事に飛び立ちました。
新規放鳥のトキの行動は個体によって異なり、慣れ親しんだ順化ケージ周辺をウロウロしているトキもいれば、早くもあちこちを飛び回っているトキもいます。
それぞれの個体が佐渡のどの辺りに落ち着くか、これからが楽しみです。