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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

秋恒例・トキのねぐら出一斉カウント調査

2021年11月19日
佐渡

みなさん、こんにちは。

佐渡自然保護官事務所の右田です。

佐渡では、秋の終わりが近づいています。山々の頂上付近はすっかり紅葉が終わってしまい、あわてて裾野の紅葉狩りを楽しんでいる今日この頃です。

【観察棟からの景色:秋が訪れた野生復帰ステーション】

秋から冬にかけてのこの時期、トキたちは集団で行動しています。たくさんのトキが集って餌をついばむ姿はなんとも愛らしく、また複数のトキが飛翔した時に目の前に広がる「とき色」はとても綺麗です。

【集団で行動するトキ】

毎年、トキが大きな群れを形成する9月と11月に、佐渡島内のトキのねぐら出一斉カウント調査を行っています。

現在、佐渡島内の野生下のトキの推定個体数は480羽程度です。足環のない個体(野生生まれ)も含めトキの個体数は、2008年の第1回放鳥から順調に増加しており、全てのトキの生存状況を把握することが難しくなってきています。うれしい悲鳴です。

そこで、トキの個体数を把握するために、2015年よりトキのねぐら出一斉カウント調査を実施しています。佐渡島内各地のトキの集団ねぐらが見える位置に、観察者を配し、無線で連携しながら一斉にねぐら出する個体数を数えます。その合計数を調べ、個体数の把握に役立てると共に、今後のトキ野生復帰の取組を検討する際の重要な情報として活用しています。 

【モニタリングセット】

記録用紙・地図 : それぞれが観察地点に行き、結果を記録します

ヘッドライト : 日の出前からスタンバイするため手元を照らします。

無線機 : 各地の観察者とねぐら出の羽数や方向を共有し連携します。

双眼鏡・スコープ : ねぐら出の確認やねぐら出後の識別をします。

トキの生息数が順調に増えている背景には、地域の方々の様々な努力やご協力があります。そして、ねぐら出一斉カウントもまた、職員だけでは実施できないため、地域のボラティアの方々に支えられています。

11月9日~11日の3日間、悪天候の中ではありましたが、のべ71人で佐渡島内53地点について調査を行いました。

夜明け前の暗いうちから、各持ち場に到着した観察者のみなさんから「こちら○○、××ねぐらにスタンバイしました。」との無線が入り始めます。辺りがうっすら明るくなる頃になると「××ねぐらから△△羽出ました!北に向かいました。」などの無線が続々と入り、とても賑やかになります。無線のやり取りで貴重な情報だけでなく、ワクワク感も共有されていきます。ねぐら出が終わった後も、さらに、飛翔方向の無線を頼りにトキたちが降り立った場所へ向かい個体識別を行うことがあります。

【集団で採餌するトキ】

◆ボランティアNさんの声

2回目の参加です。毎日の観察は無理ですが、1日だけ早起きしてお役に立てるので、この調査が楽しみです。

今回私の場所はねぐら出ゼロでしたが、「いないことがわかった」のも成果です。

◆ボランティアOさんの声

ねぐら出カウント5年になります。今回、初日はいつもの場所、2日目が初めての場所でした。初日の場所は私がウォーキングをしていて見付けたねぐらです。今回は荒天で車の窓を開けての観察は大変でしたが、元気に飛んで行くトキ達を見ると幸せな気分になれますね♪朝焼けと共に出た大きな二重の虹にも感動しました。

◆今回の結果

ねぐら出が確認されたねぐら数は29か所でしたが、合計羽数は423羽となり、9月時点の推定生存個体数の9割弱のトキが確認できました。一つのねぐらからねぐら出した最も多い個体数は60羽だったそうです。

トキも人も集まって和気あいあいと!この時期ならではの醍醐味です。